一般道編
電池残量93%、航続距離表示307 kmから269 km走行して、電池残量は3%、航続距離は— km (おそらく8 km) でした。
天候は雨、デフロスタ使用。
高速道路編
電池残量78%、航続距離表示228 kmから80 km/hで181 km走行して、電池残量は4%、航続距離は10 km強でした。天候は曇り、エアコンは不使用。
一般道編
新型リーフが納車されたので、さっそく実際どれだけ走るのか実験です。テストコースは長い距離を走りたいものの、高速走行では電費が悪くなるのでJC08モードに基づく航続距離は絶対に出ません。一般道で十分に長く分かりやすい道として、国道1号線を走ることにしました。
私は神奈川県に住んでいるので、出発地点は小田原駅にしました。国道1号線はかつての東海道。箱根越えを控えた小田原は東海道五十三次で最大の宿場町でした。東海道つながりで考えると、名古屋には同じく七里の渡し(海路)を控えた宮宿(熱田神宮)があります。距離にして約300 km。勝手に好みを感じて、熱田神宮まで行けたらいいなと思いながらドライブを始めました。
小田原駅にて記念撮影。電池残量93%、航続距離307 kmと表示されています。初代では200 kmという数字すら見たことがなかったのに。ナビでルートを探索すると、所要時間や行程と合わせて目的地での予想電池残量が表示されました。現在の電池残量で到達できないかもしれないとナビが判断したようで、途中の充電スポットを経由地に使いするよう提案が出されました。ドライバーが充電スポットを探さなくても、ナビ任せでいいんですね。国道1号線沿いなら充電スポットはいくつもあるでしょうから、まずはナビの提案を無視して進みます。
実はこの日、非常に強い台風21号が日本に接近しており、秋雨前線と合わせて大雨を降らしていました。箱根の山を登り始めるとみるみる天気は悪くなり、箱根新道を登り切ったところ(小田原から19 km)で電池残量は77%、航続距離は177 kmの表示になりました。このときデフロスタONです。
坂を上るのに大きなエネルギーを使う一方で、坂を下る際には回生ブレーキによってエネルギーを取り戻せます。シフトをDからBに変えて、沼津市街まで下り切ったところが下の写真です。
小田原から34 km、電池残量は81%、航続距離は236 kmの表示です。回生ブレーキで位置エネルギー分を取り戻したので、電池残量が増えています。
沼津から先は大きな山もなく、いかにも幹線道路という姿の国道1号線を走っていきます。静岡市などの大都市の周辺ではバイパスが整備されているので、あまり信号に止められることもなく(写真を撮る機会もなく)走行しました。電池残量が50%になったのが、ちょうど大井川をわたっているとき(島田市)でした。
バイパスならプロパイロットに運転を任せられるかと思いましたが、ハンドル支援には入ってくれませんでした。一方で、車速と車間距離の制御はいつでも支援してくれたので、信号さえなければ車速を法定速度にしておけば勝手に進んでくれます。ちなみに、車間距離を最小に設定しているところに割り込みされると自動ブレーキのアラートが鳴ります。隣の車線の状況を見ながら他車を入れあげるという動作は、人間がやる必要があります。
ずっと運転していてさすがにトイレに行きたくなってきたので、浜松でコンビニに立ち寄ったときの画像です。
小田原から164 km、電池残量は37%、航続距離は182 kmの表示です。
この画面でECOと書かれている範囲にモーター出力を収めていれば、それなりのエコ運転ができるます。道中、デフロスタはつけたり消したりしています。
浜松を抜けると浜名バイパスに入ります。浜名バイパスは海沿いで強風かつ制限速度80 kmなので高速道路並みの電費に悪化し、みるみる航続距離が短くなって焦りました。EVに乗っている方ならご存知のように、航続距離は直近の走行履歴をもとに算出されています。バイパスのあとは市街地走行で電費が良くなるので、実際には表示の減り方ほど航続距離が短くなるわけではありません。と分かっていても焦るのが人。
浜名バイパスを抜けると愛知県に入ります。国道1号線に路面電車が走る豊橋市役所付近の画像です。
小田原から207 km、電池残量は21%、航続距離は67 kmの表示です。
岡崎城付近です。さすがに電池残量が少なくなってきました。
小田原から238 km、電池残量は13%、航続距離は41 kmの表示です。
電池残量9%、航続距離29 kmを切ったところで警告灯が表示されました。航続距離が点灯から点滅に変わったので、画像では表示が消えているように見えます。信号で止まり画像を撮影したのが小田原から257 kmの地点です。
この時点でナビが周囲の急速充電スポットを更新しだします。
電池残量が3%になり、航続距離が10 kmを切ったところで、航続距離が—という表示に変わりました。ナビが自動で周囲の急速充電スポットを検索します。
実はこの時、すでに熱田神宮まで残り数百m。小田原から名古屋まで無充電で走行するチャンレンジは成功です。最寄りの日産で急速充電をする前の表示です。
小田原から269 km、電池残量は3%、航続距離は— km (おそらく8 km)
急速充電を開始します。
107A、343Vという初代リーフでは見たこともない電圧が表示されています。しばらく経っても、電流は107Aのままでした。充電完了時に54%なので、30分で51%の充電ができました。カタログにある80%まで40分で充電は難しそうです。充電が遅いのは、日産ディーラーの急速充電器の出力が44 kWであり、CHAdeMO規格の上限50 kWより低出力なためでしょう。
平均電費は8.1 km/kWhでした。
調べてみると、新型リーフで346 km走ったという動画がありました。今回のドライブでは、100%充電でなかったこと、大雨で路面がぬれており走行に余計なエネルギーが必要だったこと、デフロスタのためにエアコンを稼働したことにより、346 kmは下回る結果でした。
それでも、初代リーフからしたら世界が違います。実は以前、同じように一般道で神奈川から愛知まで走ったことがあるのですが、8割まで電池が劣化した初期型でエアコンが必要な真夏だったとはいえ5、6回急速充電をしたはずです。それが新型は0回。技術の進歩の大きさに驚きます。
高速道路編
後半は高速道路編です。普段の使い方に近い充電80%で出発して、神奈川県に帰るのにどこで充電が必要か実験します。
さすがに名古屋出発は厳しいので、愛知県の東の端、東名高速豊川ICから高速に入ることにしました。最寄りの日産で急速充電してスタートです。
電池残量78%、航続距離228 kmと表示されています。一応、大井松田ICまで210 kmなので、この数字のままなら充電は必要ないかのように見えます。ここで小田原までのルートを検索すると、目的地に到着できない恐れがあるとナビから警告が出ました。「経由地に充電スポットを加えますか」と提案されるので、候補を表示すると現在地から遠い順に経路上の急速充電スポットが表示されました。最も遠い候補は駿河湾沼津SAで足柄SAではありませんでした。高速走行で電費が悪化し、足柄SAは標高が高いためさらに電費が悪化することが考慮されて、余裕のある候補が示されているのだと思いました。
台風が近づいているためか、東名、新東名ともに制限速度が80 km/hに規制されていました。EVは高速で走るほど電費が悪化するので、普段より電費には有利な状況かもしれません。
高速道路ではプロパイロットが役に立ちます。国道1号線では起動しなかったハンドル支援も東名、新東名を走っている間のほとんど時間機能しました。東名から新東名に入る浜松いなさJCTの急カーブも、新東名に合流する最後の白線が消える直前までハンドル支援が作動していました。
あとはずーっとプロパイロット任せです。時折、大雨に襲われてプロパイロットが停止したり、白線が検知できずにハンドル支援が外れることがありましたが、ハンドルを握っていれば問題なく運転を引き継げるような感じでした。e-PedalをONにしていましたが、プロパイロットが停止しても急制動がかかるわけではなく、ドライバーが反応してアクセルを踏み込む時間は十分にあると感じました。
駿河湾沼津SAの直前で、航続距離が足柄SAまでの距離に20 kmほど余裕がありました。標高差があるのでギリギリ届くか否かといったところですが、初代リーフを運転してきた経験から行けると判断して駿河湾沼津SAを通過しました。
御殿場ICの手前には、新東名ではこの先すぐの長泉沼津ICしか出口がないので、EVに慣れていない方にはお勧めできない走り方です。いざというとき東名なら裾野ICで降りられます。
御殿場ICの近くに東名高速の最高地点 454 mの標識があります。これを越えれば辛い上り坂が終わるので、5 km先の足柄SAは到達可能です。つまり、御殿場ICに到達できるか否かが電欠するか否かと同じことです。高速道路上で電欠するのは危険すぎるので、余裕を持って充電しましょう。
もちろん無事に足柄SAに到着したわけですが、その時点で電池残量は4%、航続距離は10 km強でした。
さっそく急速充電を開始します。
足柄SAでは、高速に乗る前に日産で充電したときよりも充電が遅いように感じました。実際に入った電気も30分で14 kWh。39%にしかなりません。ここの充電器は40 kWだったはずなので、もう少し入ってもよさそうなもの。
あとで気が付いたのですが、電池の温度がかなり上がっていました。もう少しでレッドゾーン。電池のオーバーヒートを防ぐために、充電電流が抑制されていた可能性が高いです。
ちなみに高速道路走行(80 km/h)の平均電費は7.6 km/kWhでした。
時速100 kmで走れば、もう少し手前で電気がなくなるので、駿河湾沼津SAで充電するのが良かったかもしれません。神奈川と愛知の間であれば、急速充電1回で走行できそうです。
高速道路でプロパイロットはすさまじく便利でした。車間の調整もハンドル操作もほとんどいりません。ドライバーは周囲に注意を払っていれば十分で、ほとんど助手席に座っているようなものでした。
難点をあげるとすれば、ハンドル支援は若干ぎこちないのと、設定速度より遅い速度で走っているときに先行車がいなくなると急加速するのが気になりました。ハンドル支援は運転が下手な人よりはうまいくらいです。また、急加速はドライバーがアクセルを踏んでいる間、ドライバーの操作が優先されるのでゆっくり加速できます。ただし、ドライバーの介入している時間が長いとプロパイロットが解除されます。
今回いだいた懸念としては、電池の温度管理です。足柄SAで充電が遅かった原因が電池温度だとしたら、長距離の高速走行は厳しいかもしれません。外気温が20度以下であっても、急速充電1回と高速走行の後では、急速充電が抑制されるほど温度が上がっているということになるので。今後情報を集めて、リーフの長距離移動で注意すべき点を明らかにしていきたいと思います。