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自作の家計簿をGoogleフォームとスプレッドシートで

概要

入力にGoogleフォーム、集計にスプレッドシートを使った家計簿をつくります。各家庭に合わせて内容や費目を修正できます。

目的

PCやスマホの特定アプリ・OSに依存することなく、家族全員で使用できる家計簿を作ります。

入力をできるだけ手間なくすることが最優先の目的です。

集計が支出の総額がわかることが優先であり、費目はだいたいあっていればよいものとします。

支出内容を振り返られるように、支出ごとにメモを残せるようにしたいと思います。

また、入力内容の修正が容易であることも求めます。

作り方

Googleフォームを作成します。上図のように作成します。選択肢と短文回答の形式です。金額は数値入力のみに制約しています。

フォームの回答が入力されるスプレッドシートは以下の構成を想定しています。

A列タイムスタンプ
C列費目
D列金額
E列支払った人
F列備考欄
G列分類(家族 or 個人)

集計用のシートを追加します。集計にはスプレッドシートのクエリ関数を使います。

集計シートのA列には日付を表示しています。以下のように書いています。A3セルが手入力した日付です。A列は次のように書くことで、「2025/7」のような表示になります。

=text(EDATE(A3,1), "yyyy年m月")

集計シートのB2セルとC2セルに「ママ」「パパ」を記入します。B3セルには以下のように記入すると当月の「ママ」かつ「家族」支出の総額が計算されます。

=sum(QUERY('フォームの回答 1'!$A$1:$G,"select D where E='"&B$2&"' and A >= date '" & Text($A3,"yyyy-mm-dd") &"' and A < date '" & Text($A4,"yyyy-mm-dd") &"' and G='家族' order by D desc"))

むすび

GoogleスプレッドシートやMicrosoft Excelにはクエリの集計機能があります。仕事で身に付けた知識を家庭に応用して、快適な家庭運営につなげましょう。

Google Nest Hubによるこども写真の共有とビデオ通話

概要

自宅および祖父母宅でのこども写真共有にGoogleフォトを用いることでGoogle Nest Hubをフォトフレームとする方法を紹介する。同時に祖父母宅へのフォトフレーム共有、自宅-祖父母宅間の簡便なビデオ通話を実現する。

目的

こどもの写真を共有することは、子の成長を感じるのに有用です。我が家でこどもの写真を共有する際の要件を整理しました。

  • 自宅内(ママ・パパ)でこどもの写真を一元的に共有したい。
    • 写真は主にスマートフォンで撮影します。たまにデジタルカメラで撮影したり、写真館で撮影したものが含まれます。
    • ママとパパはスマホは、AndroidとiPhoneで分かれています。
  • 祖父母宅でも最新のこども写真を表示できるようにしたい。
  • 祖父母宅と自宅の間でビデオ通話をできるようにしたい。

実現方法

写真はGoogleフォトにアップロードします。また、共有アルバムに追加します。

自宅および祖父母宅にGoogle Nest Hub Maxを設置します。こどもの写真の共有アルバムを表示する設定とします。

祖父母宅のGoogle Nest Hub Maxには祖父母のGoogleアカウントを紐づけます。自分と祖父母の間でGoogle Meetによる通話を行うことで、Google Nest Hub Maxの通話相手候補に祖父母を表示させます。

結果

写真アルバムの更新はリアルタイムに行われるため、祖父母に喜ばれています。新しい写真が共有されると、祖父母からLINEでリアクションが届きます。

ビデオ通話で動きや声を届けられる点も祖父母に喜ばれました。また、こどもが祖父母と話をしている間に父母はちょっとした家事をこなすなど、リモート託児のようなこともできました。

こども自身も1歳半ごろからGoogle Nest Hub Maxを操作して電話をかけられるようになり、祖父母と話したいときに自分から電話できるようになりました。孫が自分から電話したいといった、と聞くと祖父母はさらに喜びました。

移動が多いオフィスに適したモニタ

移動が多いオフィスに適したモニタを紹介します。フリーアドレスのオフィスで自席がない場合や、在宅勤務の普及により会社のPCをオフィスと自宅で持ち運ぶ場合など、業務用のPCを携えて移動する頻度が高い働き方が近年増えています。

移動が多い場合に問題になるのが、PCの周辺機器をどのように持ち運ぶかです。特に、電源がなければPCは数時間で動かなくなるので、電源ケーブルの運搬は重要な課題です。

最近のノートPCではUSB Type-Cコネクタを使って充電する方式が増えてきました。これはUSB PD (Power Delivery)を利用したものです。もしUSB PDで十分に高い出力を備えたモニタを外部ディスプレイとして使えれば、電源ケーブルを持ち歩かなくても給電しながらPCを使えます。
USB PDにどれだけの出力が必要なのかは、使っているPCの仕様書や電源アダプタを確認してください。ノートパソコンであれば、たいてい45 Wくらいでしょう。ノートパソコン付属の電源アダプタが45 Wなのであれば、45 W以上に対応してUSB PDを備えるモニタを使用すれば大丈夫です。

価格comでUSB PDと映像入力USB Type-Cでモニタを検索すると100件以上の製品が該当します。24インチで2万円台の製品もあり、給電機能があるからといって驚くほど高価になるわけではありません。

私はDELLのU2721DEを在宅勤務のために購入しました。USB Type-Cで給電しながら映像の伝送ができるのに加えて、モニタ側に有線LANポートを備えており自宅でも高速かつ安定したインターネット接続が可能です。本記事の執筆時点で購入できる後継機はU2722DEです。

プロパイロット2.0と日本の高精度3次元マップデータ ダイナミックマップ基盤

2019年秋に発売される新型日産スカイラインにはプロパイロット2.0が搭載される。日産リーフZE1などに搭載されているプロパイロット1.0は同一車線の自動運転(車速、車間距離の制御、車線中央維持)に限られていた。プロパイロット2.0では遅い車の追い越しやインターチェンジへの侵入といった車線変更を行えるようになった。また、プロパイロット1.0相当の運転はハンドルから手を放しても良いことになった。

プロパイロット1.0から2.0にバージョンアップするため、車両のセンサー類が増えている。前方カメラは単眼カメラから3眼カメラに変更された。3眼カメラは長距離用の望遠カメラから超広角カメラまで、幅広い距離範囲で物体を認識できる。アイサイトで使われてきたステレオカメラが視差から距離を算出するのとはカメラの使い方が異なっている。

カメラの他にも超音波ソナーとミリ波レーダーが装備されているが、超音波ソナーはリーフZE1にも装備されていた。ミリ波レーダーはプロパイロット2.0での追加である。悪天候下や長距離のセンシングにはカメラよりミリ波レーダーが有効である。高速で走行すると単位時間あたりの移動距離が長くなることから、遠くまでセンシングできるという特徴は高速走行への対応にも必要な性能だ。たとえば、新東名は制限速度が120km/hの区間があるものの、リーフのプロパイロット1.0では115 km/hまでしか対応できない。アメリカやドイツのような制限速度が高速な大陸国ではミリ波レーダーの必要性がより高い。

これだけ車両のセンシング能力を上げても、車両単独での自動運転には限界がある。カーブが連続して見通しの悪い区間(東名高速の大井松田IC-足柄SIC間など)で車線変更する場合のように、人間にとっても先読み能力をフル活用しなければならない場面がある。そこで活用されるのが高精度3次元マップデータである。車両側でその時その状況をすべてノーヒントでセンシングするのではなく、あらかじめ道路の構造をデータとして持っておく。車両のカメラに映った画像とマップデータを照合することで、車両の絶対位置を特定する。すると、この先にカーブやアップダウン、トンネルやインターチェンジといった道路構造がどのように存在しているのかがわかる。こうした情報を持ったうえで、車両側で車線変更の可否を判定する。道路の形状は工事などで変わっていくので、ネットワーク経由で最新のマップデータを更新する。プロパイロット2.0では年間2万2千円の日産コネクトに加入することになる

高精度3次元マップデータを構築するのも、更新し続けるのも大変な労力を要する。そこで三菱電機やゼンリン、自動車メーカー10社などが出資するダイナミックマップ基盤(DMP)が日本国内の高精度3次元マップデータを維持する体制を構築している。DMPは2019年3月の時点で開通しているすべての自動車専用上下線道約3万kmのアップデータを構築した。日産のプロパイロット2.0ではこのデータが使用されるが、使用される形はDMPのデータそのままではない。DMPのデータは協調領域呼ばれ、どの会社も利用できる。ここに各社が差別化のためのデータを加えることができる(競争領域)。プロパイロット2.0ではゼンリンが追加データを整備している

DMPは一般道のデータや海外のデータの構築にも着手している災害対策やインフラ管理にも活用されているようで、なかなか興味深い会社だ。

imecとPanasonicが安価な全固体電池を開発

安価な全固体電池が登場、エネルギー密度の限界突破で実用化前倒しへ
imecがA4型5Ah品を開発
日経エレクトロニクス 2019/7/23

TDKのCeraChargeみたいな車載駆動用電源と容量の桁が違うタイプの全固体電池ではなくて、車載に使えそうな大容量のもの。

Nikonが倒れたEUV露光機をASMLが実用化したときに立役者として名前が挙がるIMECの名前が電池分野に現れて驚いた。液体状態で塗布した電解質が固体電解質になるので、界面抵抗の問題を解決しつつ製造コストを抑制するという。それも固体電解質はシリカが基になっているとか。トヨタが進めている硫化物系固体電解質が硫化物の反応性ゆえに嫌がられているものの酸化物系では性能が出ないのでしぶしぶ使われているというのに、その問題も解決するのか?数年後には100mS/cmのイオン電導度を達成するなんて言っているし、とんだゲームチェンジャーの登場か?

期待して記事を読むと、固体電解質の正体はナノポーラスなシリカにLi塩のイオン液体を染み込ませてあるだけだった。急速充電に向いていない(0.5C以上で容量低下)、Liデンドライトが発生する問題があると明記されていた。トヨタ-東工大陣営も固体電解質を使うとデンドライトでショートしないというのが売りだったはずなのに、全固体電池でデンドライトが発生してしまったと新聞に出たのが2年近く前のことだ。そもそもimecはイオン液体使っているから全固体電池じゃないだろうというのは置いておいて、セパレータ要らずでコストダウンという宣伝文句はimecでも聞けそうにない。ナノメッシュ構造の電極を使えばデンドライトを抑制できるそうだが、間隙が50 nmしかないからLi結析出しても結晶が成長しにくいくらいの話ではなかろうか。
高温に強いから冷却機構要らずというのは良い。固体電解質の前駆体溶液を塗布してその場で反応させて製造するというのも、適切な前駆体-固体電解質の条件が決まれば大当たりしそう。性能アップに自信があるようなので、もう見当はついているのかな。

トヨタはCATLと提携しちゃうし、いつになったら全固体電池はできるのだろうか。ちゃんと利益の出せるまともな製造技術ができますように。

電池交換式EVタクシー@中国

中国では電池交換式のEVタクシーが走っているとtwitterで話題になった。

車両は北京汽車EU快换版とあるので、電池容量45 kWh、航続距離300 kmだから日産リーフZE1と同じくらい。交換式にするにあたって変更はあるかもしれない。

EVの充電時間が長い問題に対して電池交換式は実に明快なアプローチだ。何十分も待たなくていい。古いものを外して新しいものを付ける。F1レースのピットインでないにしろ、ものの5分くらいで交換できるのではないかという想像。

しかし、EVの走行用電池は重量が数百kgもあるので交換にはしっかりした設備が必要なため設備投資が重たいことに加えて現状では電池の規格が定まっていないので多車種に適用できないという課題があり、現実的でないとされてきた。コストの問題に加えて数百Vの高電圧を扱う電気回路がを風雨から守ることの難易度があがるため安全上も好ましい方法ではない。

そこはさすがの中国である。2022年の冬季五輪に向けて、北京汽車BAICが電気交換ステーションの整備に着手した。北京で最初の10か所が2016年10月29日に稼働したということだから、すでに2年半の実績がある。発表には2017年末までに200か所のステーションを整備し、3万台のEVに対応できるようにする予定だとあるから、その規模のインフラがすでに1年以上稼働しているわけだ。2022年の冬季オリンピックまでに5万台のタクシーをEVに置き換えるということだから、オリンピックを見に行くとEVタクシーも見られることだろう。

200か所の電池交換ステーションという数は、ドライバーが電池交換のために5キロ以上走らなくてよい距離だそうだ。日本でいうと日産がある神奈川県の都市部における急速充電ステーションの数はそのレベルにあると思う。日産リーフZE1を想定すると、急速充電30分で50%くらい充電されるという点では劣っているし、家で充電できる点では優れている。


興味を引くリプライあり、あとで調べたい


モービルアイ、日本の市街地のHDマップ構築を本格始動

モービルアイ、日本の市街地のHDマップ構築を本格始動
愛知県豊橋市で、500台規模の車両用意へ

日産リーフZE1をはじめとした自動運転技術プロパイロットはイスラエルのモービルアイが技術提供している。そのモービルアイが日本の市街地のHDマップ構築を車両500台の規模で実施するという。

ニュースを見て気になったのが、HDマップをつくのが愛知県豊橋市だという点。東京大阪でなく。名古屋でもなく、なぜ豊橋?モービルアイと取引のあるジャパン・トゥエンティワン株式会社に業務が委託されていることや、豊橋技科大が協力することが理由なのかもしれない。

日本の企業に委託するなら見当違いかもしれないが、もし輸入車を使うなら豊橋市になる三河港を使う可能性がある。三河港はフォルクスワーゲンやボルボをはじめとした外車の輸入基地であり、およそ20のブランドが陸揚げに使用している

ところで、2019年には複数車線対応のプロパイロットが出る予定で、そのために高速道路のHDマップはすでに日産と協力して構築されている様子。

2019/7/27追記
日本国内はDMPが自動車専用道のデータ化を完了して一般道のデータ化にも着手するようだが、モービルアイが自前でHDマップを構築する意図は何だろうか。

低炭素社会事例集

再生可能エネルギーの利用が広まってきているのは確かなのだろうが、具体的にどこでどれだけの開発がなされているのかがよくわからない。目に留まった事例をリストしていきたい。

便利なWEBサイト

エレクトリカル・ジャパン 日本国内の電力生産と消費を可視化している。発電所の一覧もある。

風力発電

「秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖」「秋田県由利本荘市沖」「千葉県銚子市沖」
経済産業省と国土交通省が公募した3地域での洋上風力発電事業。すべて三菱商事系コンソーシアムが落札した。
GE製の12.6MW風車を使用する着床式洋上風力発電所になる。
「秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖」が48万kWで2028年12月に運転開始予定。
「秋田県由利本荘市沖」が82万kWで2030年12月に運転開始予定。
「千葉県銚子市沖」が39万kWで2028年9月に運転開始予定。
関連:週刊東洋経済2022.2.12号, 三菱商事、洋上風力「赤字入札」の見方に大反論東洋経済 2022.02.09

福島浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業 (浮体式)
2013年に浮体式洋上変電所、2 MW風車、2015年に7 MW風車、2016年に5 MW風車を設置した経産省の実証実験。福島県楢葉町の沖合20 kmで実施している。量産商用機を使った2 MWは順調、新開発の実証機を使った5 MWと7 MWは不調で特に7 MW機は稼働率が低すぎるため採算取れず撤去すべしという状況に2018年の段階でなっている。福島原発事故後ということもあり、かなり世論を煽る人 (丸紅、飯田哲也氏など) もあったため、野心的というか拙速というかな計画だった模様。

五島列島 (浮体式)
五島列島の福江島から5 kmの沖合で2016年3月に営業運転開始。風車自体は2013年10月から椛島沖の環境省実証実験で稼働していた2 MWのもの。2012年6月100 kW風車を設置し、漁業などへの影響を調べた。レポートでは魚が減るどころか、むしろ浮体が漁礁のように魚を増やす効果を示したという。台風直撃にも耐えた実績がある。地元に求められて風力発電施設を福江島に移設して営業運転開始という成功事例といえよう。戸田建設は10基まで増やしてコストダウン、収益性改善を構想しているようだ。
浮かぶ巨大風車、船上で見た実力 長崎の洋上風力ルポ

Hywind Scotland (浮体式)
ノルウェーの石油会社Statoilが設置。6MWの風車が5基、スコットランドの沖合25 kmに設置されている。水深は120 m程度。2017年10月に運転開始。

モレイ・イースト洋上風力発電所
英国の風力発電事業者モレイ・イーストがスコットランド東海岸沖合に設置。MHI Vestas (三菱重工系) の9.5 MW級洋上風力発電設備V164-9.5MWを100基導入する。2022年運転開始を予定。

トライトン・ノール Triton Knoll
ドイツ系イノイジー innogy 社傘下のトライトン・ノール洋上風力発電事業会社 (Jパワーが25%、関西電力が16%出資) が英国東岸の北海上に設置。MHI Vestasが9.5 MW級洋上風力発電設備V164-9.5MWを90基導入する。2021年運転開始を予定

Vineyard Wind
Vineyard Windがマサチューセッツ州Martha’s Vineyardに設置する。MHI Vestasの9.5 MW級洋上風力発電設備V164-9.5MWを導入し、800 MW級の発電設備を建設する。2021年に導入予定。

洋上風力発電設備のシェア (2017年) では、シーメンス・ガメサ・リニューアブルエナジーが6割弱、MHIヴェスタスが2割弱。

風力発電一覧

十三湖風力発電所
津軽風力発電 (日立キャピタルグループ)が運営。2019年7月運転開始。2.3MWの風車が15基、総出力34.5MW。一般家庭2万4千世帯分の発電を見込むとあるので、稼働率は約3割を想定している模様。FITで東北電力が買い取り。

ウィンドファームつがる
グリーパワーつがる合同会社(グリーンパワーインベストメント)が運営。2020年4月運転開始予定。3.2MWの風車が38基、総出力121MWと完成時点で国内最大の陸上風力発電所。風車はGE製の直径103m品。一般家庭9万世帯分の電力を供給する。これは津軽市と五所川原市を合計した世帯数に相当。農山漁村再生可能エネルギー法に基づき畑作地帯の農地を利用する。
各風車からは地中配電線(33kV)で変電所に集電し、154kVに昇圧した後に電力会社との系統連系地点まで地中送電する

秋田沿岸 中部電力、丸紅、大林組、関西電力など
中電、洋上風力に参入 秋田沿岸、来年にも着工 中日新聞 2019/7/3 朝刊
2020年着工、2022年運転開始を目指す。秋田港と能代港の沿岸に着床式の風車を20基設置する。総出力14万kW。

清水建設が初の船舶建造 巨大洋上発電風車に対応
総費用500億円、完成は2023年10月。高さ200~300mの大型風車に対応できるようになる。日本ではじめて8MW級(高さ200m)の風車に対応する。

中国初、1300トン級の自走式洋上風車設置船が完成
つり上げ荷重は1300トン、長さ105メートル、幅42メートルという規模。8MW級風車を2基、輸送および設置することが可能。

シーメンスガメサ、洋上風力で世界シェア5割超のワケ
世界初の洋上風力発電を実現したデンマークのボーナスエナジーを2004年にシーメンスが買収した。シーメンスの風力部門とスペイン風力設備大手ガメサが2017年に統合。モロッコにブレード工場を稼働した。ブレードの生産は手作業によるところが大きくて、労働コストが安いモロッコに立地しているのが競争力につながっている

送配電

東電PGが公表した「再エネを増やす画期的な系統運用」の威力
東京電力が分割された送配電会社の東電パワーグリッドが千葉方面の送電線容量の計算を見直した東電PGの資料によると、房総半島では1000万kW級(内洋上風力が9割以上!)の申し込みがあるらしい。現状では送電線の容量を使い切っており、新たに10年と1000億円ほどのコストをかけて送電線を新たに建設しなければならないとされていた。これまでの容量計算は、最大限過酷な状況を想定したものだった。東電PGでは需要の推移と再生可能エネルギーの出力の推移を考慮してシミュレーション行い、時間にして1%程度の出力抑制を行えば再生可能エネルギーを受け入れられるという。シミュレーションで想定した接続容量は500万kW程度であると日経の記事に述べられているので、すでに申し込みのあった分の半分は受け入れられることになる。洋上風力の建設にかかる時間を考えれば、ほとんど大丈夫なのではないか。

宮古島マイクログリッド
沖縄の離島における分散型エネルギー
離島は火力発電のコストが高い。自然エネルギー利用にコスト的な優位性あり。
風力発電は風車が台風で破壊されるトラブル発生。可倒式なら台風時の保護に加えて、メンテナンスも容易になる。離島は電力網が小さいため、あまり大きい出力の風力発電は出力変動を吸収できない。

EVの大規模導入

ヤマト運輸
DHLグループのストリートスクーターと共同開発した小型配達車両を導入。2020年1月から首都圏に500台を配備。

セブンイレブン
トヨタ車体の小型EVコムスを宅配用に活用。

日本郵便
2010年に集配用EVを1000台導入するこにしたが、残念な事情で頓挫した。コンバートEVで名をはせたベンチャー企業ゼロスポーツは破産した。2011年には三菱自動車がMINICAB-MiEVを発売するも、大量採用の知らせは聞こえていない。EVベンチャーといえば、ナノオプトニクス・エナジーもシムドライブも消えてしまった。そう考えるとテスラはよくやったものだ。
日本郵便は2018年から電動バイク(HONDA)の採用を始める模様。

地熱発電

松尾八幡平地熱発電所
国内で約22年ぶり、岩手県で7MW級の地熱発電所が本格稼働
岩手県松尾八幡平地域で2019年1月から「松尾八幡平地熱発電所」の運転を本格的に開始した。定格出力7499kW(キロワット)で、出力7000kWを超える地熱発電所の稼働は国内で約22年ぶりという。

別府温泉
アイベック別府地熱発電所
別府温泉の余剰蒸気で700世帯分を発電、温泉バイナリー式地熱発電所が始動
280 kWの発電機PureCycle280 (Pratt & Whitney) を2基設置。総工費5億円、年間売電収益1.5億円の予想。年間発電量は389万kWhを見込むとあるので、最大出力に対して79%の稼働率。出力を調整したり、点検で停止したりする分だろうか。

温泉発電の「落とし穴」、別府の事例 (1/2)

波力発電、潮汐発電、潮流発電、海流発電

鹿児島県十島村口之島沖 100kW IHI「かいりゅう」
IHI、海流発電1年以上実験、21年実用化めざす
IHIのプレスリリース
タービンを水中100mの位置に浮遊させて、黒潮のエネルギーを回収する。IHIとNEDOの実験。2017年に1週間の試験済み。今回は1年以上の長期試験を実施する。送電は海底ケーブルを経由するほか、メンテナンス時は浮上する
類似技術としては、英国で着床式の潮流発電が先行しているらしい。スコットランドEMECのメイジェンのことだろうか。メイジェンは海流ではなく潮流お利用して1.5MW級だという。
素人考えだと海流発電は究極の水力発電であるように思う。海流の蛇行は問題にならないのだろうか。

始華湖潮力発電所 韓国
始華湖に建設され潮汐発電所。2011年に稼働した。潮汐発電としては世界的に有名なフランスのランス潮流発電所(1966年)が出力240MWであるのに対して、 始華湖 は出力254MWであり、スコットランドのメイジェンが完成するまでは世界最大。韓国の西海岸にはほかにも複数の潮力発電所のプロジェクトが進行中

電力貯蔵

フライホイール
中央新幹線で使われる超電導リニアモーターカーと同じ技術を使って、巨大な質量を浮上させ、その回転エネルギーとして電力を貯蔵する検討がされている。2015年には山梨県の米倉山大規模太陽光発電所NEDOの実証実験 (25 kWh, フライホイール質量4トン、最大毎分3000回転) が行われた。2020年には山梨県のJR東日本 穴山変電所実証実験を予定。

回転で電力を貯める「フライホイール型蓄電システム」、日本工営が量産モデルを開発

自然科学のなじみのない分野へ参入する足掛かり 高校理科の資料集がおすすめ

製造業で研究者をやっていると、思いもしない仕事をすることがある。大学・大学院で学んだこと、入社以来の専門とは異なった分野の業務に携わることになったとき、なじみのない分野で最低限の科学的知識を吸収する必要に迫られる。
土地勘もない分野では、どの本で勉強すればよいかもわからない。わかりやすい入門書はどのようにして手に入れるのが良いだろうか。
幸いなことに、自然科学の分野では高校生が使う理科の資料集が安価に手に入る。そのうえ分かりやすい。

フォトサイエンス (数研出版) 物理 化学 生物 地学
サイエンスビュー (実教出版) 化学 生物

高校生が卒業までに学ぶ程度の知識や概念すら持っていないと、専門家に質問することすらできない。高校の理科の教科書程度の知識はあるというなら、大学の初年次教育から学部教育向けに使われている教科書を読んでみよう。学びたい分野でどのような本を読むのが適切かを知るには、ある程度大きな大学の生協書籍部を訪れて、教科書コーナーをめぐるのが効率的だ。

たとえば、生物の知識が義務教育レベルの人が、ミトコンドリアって何?というような人が、生命科学系のことを学ぼうと思ったときに、間違ってもTHE CELLを手にとってはならない。時間の無駄だ。高校生物の資料集や、せめて大学教養教育の教科書を読む方が、学習者のためになる。

ところで、今の時代はネットで調べれば何でもわかるという人がいるが、この見方は間違っている。ネットで検索するには適切なキーワードを思いつく必要があるが、それには知識や概念が身についている必要がある。また、20年前ならいざ知らず、近年では広告目的で間違った内容を平気で書き連ねている上に検索上位に並ぶページが多い。現代のネット上では、正しい情報を見つけるだけで一苦労。それよりも、書店に1,000円払って本を買った方が楽だ。