日産 初代リーフ 電費(燃費)レポート|フルモデルチェンジ前にEVの性能をおさらい!慣れない単位に困惑!? オートックワン
フルモデルチェンジを9月にひかえたこの時期、モデルチェンジ前の初代リーフ(2010年~2017年)の電費がどれだけか、安心して走れる距離はどれだけかを検証した記事が出ていました。
いわゆる後期型Gグレード、30 kWhモデルでの結果が上のリンク先に示されています。高速道路や街乗りなど、道路状況別にまとめた表がわかりやすいのでご覧ください。
最悪の電費だったのが街乗りで7.4 km/kWhということですが、より電費が悪いとされる初代初期型で私のリーフが夏場で7.7 km/kWhだったことを考えると、夏場の電費は7~8 km/kWhくらいなのでしょう。初期型リーフは暖房でエネルギーを使う冬場に電費が6 km/kWh程度まで悪化するので、冬場のデータがあれば良いのですが。調べてみると、後期型30 kWhモデルでも冬場は6 km/kWh台まで電費が悪化するという報告がありました。
では、リーフは結局どれだけ走るのか?
バッテリー容量 (kWh) と電費 (km/kWh) がわかっているので、この二つの数値をかけ合わせれば航続距離が計算できます。
たとえば、冬場でも最悪6 km/kWhの電費で走れるとして、バッテリーが30 kWhなら180 km走れることになります。ただし、充電100%から0%に相当するので、電欠しないよう安全マージンを取ると航続距離は短くなります。また、私のように家庭に充電設備がなく、いつも急速充電器に立ち寄る必要がある場合は、100%充電で出発する仮定が現実的でありません。したがって、上記100%充電の走行距離の80%くらいの距離が1充電で間違いなく走れる距離と考えられます。180*0.8=144 km。片道で東京から新富士、京都から名古屋くらいの距離です。
電費は運転の仕方でも変わるようで、前述の記事では夏場に9~10 km/kWhだったと述べられています。夏場は悪くても7 km/kWh、良ければ10 km/kWh近くまで良くなる可能性があるわけです。いずれにせよ、厳寒期を想定した電費6 km/kWhよりはだいぶ余裕があると見込めます。
電費の他に考量する必要があるのが、バッテリーの劣化です。日産のバッテリー保証は24 kWhモデルが5年10万km、30 kWhモデルが8年16万kmの範囲で12分の8セグメントまでバッテリー容量が低下した場合、新品のバッテリーに交換してもらえます。単純に8/12までバッテリーの容量が低下すると、上で計算した最悪の航続距離は144*8/12=96 km、約100 kmです。近場を走り回るにはいいけれど、遠出をするには心もとない感じがします。
ただ、そこまでバッテリーが劣化するのも最悪の場合です。私のリーフはバッテリー劣化が激しいと言われる初代初期型ですが、6年3.5万kmで11/12セグメント残っています。中期型以降では24 kWhモデルにしろ30 kWhもモデルにしろ、バッテリー劣化がずいぶんと抑制されているらしいので、前述の試算は最悪のケースと考えてよいでしょう。
新型リーフは現行より航続距離3割アップが言われているので、新品で最悪190 km、劣化が進んでも130 kmくらいは走れるのかなと想像します。ここで少し注意が必要なのが、急速充電器の出力が大きなものでも50 kW以下、日産ディーラーにあるタイプでも44 kWであるということです。44 kWで30分 (0.5時間) 充電すると、22 kWhの電気が入りますが、この量は30 kWhの8割に満たない値です。1回の急速充電で走れる距離は、バッテリーの容量よりも急速充電器の性能に決められてしまうことになります。このあたりは150 kW級の急速充電器が近々登場するらしいので、早く普及してくれればと思います。また、バッテリー容量が十分に大きくなったことで、電欠までの安全マージンが取りやすく、どこの急速充電器で充電するかを選択しやすくなっていますので、運転者の心理的な負担は大きく低減されるはずです。
ところで、新型リーフの発表が近づき初代リーフの中古車価格が暴落しているので、購入を検討されている方もいると思います。私は初期型に乗っていて自分の使い方ではどうにかなっていますが、正直なところバッテリーの劣化や冬場の電費の悪さは否定できません。中古車を購入される際は、バッテリー劣化と暖房に対策がなされた中期型、2013年以降に新車登録されたものをお勧めします。