酷暑の夏、40 kWhリーフは一日の急速充電を2回までにしたい

日本各地で40度近い最高気温が報告される中、愛知から福島まで、一日で640 kmほど走ってきました。直面したのは、急速充電の出力抑制でした。リーフの走行用電池に強制冷却シスステムがないことに起因します。

高温時の急速充電出力抑制は、30度くらいから発動します。また、ある時期以降に納車されたリーフ(ZE1)は私が乗る初期ロットよりも出力抑制が弱い設定になっているようです。


出発地点は東名高速の音羽蒲郡IC。宿泊地の近くにファミリーマート豊川御油店の急速充電器があったので、前日のうちに88%まで充電しておきました。この時点での航続可能距離は243 kmと表示されていました。

愛知の気温は朝7時ですでに27度。エアコンは26度オート設定でかけっぱなしにしました。走行条件は基本的に制限速度でプロパイロットです。

東名高速から東海環状自動車道を経由し、中央道へ。ナビに促されるまま、長野県に入ってすぐの阿智PAで1回目の充電をしました。出発地点から150 km、標高920 mです。30分で22%から71%まで回復したのですが、すでに走行用電池の温度が40度を超えてしまいました。阿智の気温は10時ごろでも27度と涼しかったのですが。

さらに高速道路を北に進みます。次の充電は長野自動車道 姨捨SAです。阿智PAから140 kmほど、松本側から長野市側に山を越えた後の高い場所にあります。標高は620 mほど。SAの下には日本三大車窓に数えられる姨捨駅があり、SAからも千曲川沿いの美しい景色を眺めることができます。
標高が高いだけあって、正午ごろでも気温は29度でした。30分の急速充電で19%から56%へ回復。阿智PAでは49%分回復したのに、姨捨SAでは37%分しか回復していないことから、温度上昇によって充電器の出力抑制が始まっている気配を感じます。

姨捨SAからは上信越自動車道を通って新潟へ。途中、妙高SAで10分ほど継ぎ足し充電しました。急速充電では電池の温度が上昇するので、急速充電の回数は減らしたいところですが、すでに45度以上になっていました。外気温がいくら高いと言っても、40度は上回りません。そこで、充電時間を短くして、電池に負荷がかかりにくい走り方をすれば冷却されるのではないかと考えました。長野から新潟は基本的に下りになるので、高速走行といえども電池への負荷は小さいはずなので。

このような目論見が功を奏したのか分からないうちに、新潟の米山SAでの急速充電で電池温度が50度に達しました。リーフのインパネに表示される電池温度は数字が書かれていませんが、右側の赤い目盛り一本目が50度のラインと思われます。Leaf Spyで見ていると、3つある電池温度計のうちひとつが50度を超えたタイミングで、インパネの表示が変わりました。おそらく右端の赤い線は60度かそれより少し低い温度です。市販のリチウムイオン電池は許容上限温度が60度であることが多いので。

この後は北陸自動車道 栄PA磐越自動車道 阿賀野川SA磐越自動車道 西会津PA 磐越自動車道 磐梯山SA とSA巡りをする羽目になり、短時間の継ぎ足し充電を含めると一日で8回もの急速充電を経験することになりました。日本海側から標高570 mの磐梯山SA付近に向けて登りになるのに加えて、4回目以降は電池温度が常に50度以上になっていて、通常時の半分くらいしか充電できず、距離を走れないので急速充電の回数も増えるという悪循環でした。


結局、真夏に高速走行をして急速充電を繰り返すと、充電器の出力抑制が避けられません。使ったのはすべて高速道路によくある40 kWの充電器でしたが、1回目の充電に比べて、2回目には2割、3回目に5割、4回目には6割ほど出力抑制されました。6割も出力抑制されると、コンビニなどにある20 kWの充電器、いわゆる中速充電器と変わりません。

急速充電器の出力抑制は、リーフの車載コンピュータが電池温度を監視して、充電器に出力抑制を支持しています。出力抑制は急速充電器の方ではなく車の方に原因があるので、充電器を変えても問題は解決されません。逆に言うと、普段はあまり使わない20 kW中速充電器を、長距離移動する際には積極的に利用すると良いでしょう。最初から中速充電にしておけば電池温度は上がりませんし、電池温度が上がってしまっても、中速充電で十分車が許容するフルパワーを出せます。

電池の温度が一旦上がてしまうと、なかなか冷却されません。福島ではアクティブリゾーツ裏磐梯に宿泊したのですが、朝8時になっても電池温度が35度くらいありました。宿泊地は高原リゾートなので明け方の気温は20度を下回るほどだったのにも関わらずです。

急速充電の回数を減らすには、上で述べた中速充電に加えて、普通充電を活用することが有効です。観光施設や駐車場で普通充電設備を備えたところを選んで利用する。特に、長時間滞在する場合は普通充電でもそれなりの量の充電が可能です。さらに、普通充電では電池温度が全くと言っていいほど上昇しません。急速充電の出力抑制が入るような高温時には、普通充電中に電池温度は低下していくほどです。

今回の度では、アクティブリゾーツ裏磐梯で朝から普通充電をかけている間にホテルの目の前にある五色沼を散策していました。また、翌日の宿泊地が仙台だったので、仙台市内の普通充電設備がある駐車場を探したところ、ホテルに近い駐車場でかつ夜通し普通充電できる場所が何カ所かありました。


福島の翌日に泊まった仙台では、寝ている間に普通充電で100%まで回復しました。車の外気温計40度という表示になるくらいには暑い日でしたが、ホテルを出る前に乗る前エアコンを起動していたおかげで車内は冷えていました。

仙台から帰る道は、これまで走ったことがない常磐道にしました。仙台から神奈川までは400 km強。途中の充電スポットはナビにおまかせ。フル充電のリーフは下道を300 km近く走れるので、飛ばさなければ高速走行しても200 km以上走れます。仙台から200 km近く離れた常磐自動車道 中郷SAでようやく一回目の急速充電。一回目の急速充電はまだ電池温度が上がっていないので、走行距離120 km分くらいが充電されます。おかげで次の急速充電をしたのが常磐自動車道 守谷SAというほぼ東京の入り口のところにまで来ました。守谷SAで充電すると、今度はもう神奈川県まで帰れます。

この旅の経験をまとめると、以下のようになります。

  • 真夏の急速充電は一日あたり可能なら2回まで、できれば3回までになるように旅程を立てる。
  • 長距離走行する場合は、前日までにできるだけ満充電に近づけて、かつ走行用電池の温度を下げておく。

日産のblogでも同様の内容が紹介されているので、オーナーの方は参考にしてください。

一日で600 km走るよ!という場合はどうしようもありませんが、一日の移動距離が400 kmくらいまでなら、40 kWhリーフでもそこまで困りはしないと感じました。

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