6月だというのに梅雨が明けてしまいました。関東は連日の真夏日です。これだけ暑いと、リーフの電池温度も高止まりしてしまいます。そのため、電池劣化が進むこと、そして急速充電で充電できる電気量が小さくなることが問題になりそうです。
初代リーフでは低温時(10℃くらい)に急速充電速度低下が大きく、高温時(30℃くらい)はむしろ急速充電が早く進みました。これは、初代リーフの電池の温度上昇によって内部抵抗が低下し、定電流充電モードから定電圧充電モードに移行する充電率が大きくなるためと理解できます。
一方、その後の改良された電池を搭載するリーフは、低温でも内部抵抗が小さく、定電流モードでの充電が広い充電率範囲で可能になっています。すると、今度は高温時の充電速度低下が問題となります。
一般論として、高温になるほど化学反応は進行しやすくなります。電池でいうと、理想的な充放電反応ではなく、電池の劣化につながるような副反応も起こりやすくなってしまいます。したがって、電池の温度は必要以上に上げたくないのですが、充電時には電流が流れるので熱が発生してしまうのを避けられません。リーフに限らず、電気自動車の走行用電池を急速充電する際には、電池の温度が上がりすぎないように、充電電流を抑制する機構が動作するようになっています。
ユーザーとして気になるのが、電池の温度がどの程度になると急速充電に抑制が入るのかという点です。LeafSpyのデータを見ていると、2017年に登場した新型リーフの電池は35℃あたりから抑制が入るようです。秋から春にかけての外気温が30℃に満たないような季節であれば、急速充電後に高速運転を続けてすぐ急速充電をするくらいの負荷で電池温度が35℃に達しました。ところが、最近は外気温が30℃を上回っているので、日中のリーフの電池は充電や走行をする前から35℃ちかい高温になっています。ここから急速充電や高速走行をしようものなら、すぐに充電電流の抑制がかかる温度に到達してしまいます。
具体的には、外気温が32℃の夕方に日産ディーラーの急速充電器で充電したところ、涼しい季節は107A流れるところが、95Aしか流れませんでした。30分の充電でも通常は容量の53%程度が充電されるのに対して、45%しか充電されませんでした。温度上昇によって、急速充電で充電できる電気量が1割強低下したことになります。
長時間の高速走行が必要な長距離移動の際には、このような高温時の充電電流低下が問題になるかもしれません。ユーザーとしては、可能なら普通充電で温度を上げずに涼しい夜の間に満充電にしておいて、日中の急速充電回数を極力減らすといった対策が必要でしょう。私は家で充電できないので、前日のうちに充電を済ませておくことにします。
気温が40℃近い状況だと、連続走行かつ急速充電は一日2回か3回になるように旅程を組んだ方が良さそうです。
2018年は強烈な猛暑だったこともあり、ネット上には新型リーフの急速充電が遅いという口コミが何件もみられました。その中で「リプログラム」という言葉があったので調べてみると、私が乗っている初期ロット (2017年10月製造) に比べて、最近製造されたロット(2018年中ごろ?)は急速充電の出力抑制プログラムが変更されているようです。初期ロットと同じ出力抑制プログラムの車体で、新しい出力抑制プログラムに書き換えることがリプログラミングと呼ばれているとわかりました。
出力抑制の程度や、リプログラミングによって抑制がどの程度緩和されるのかは、以下のページに画像が出ていました。リプログラミング後は、30℃以上で出力抑制が開始されるのは変わらないものの、35℃から45℃くらいの温度域では2~3割ほど高出力で充電されるようです。夏は気温が40℃近くあって電池の温度が高止まりするので、リプログラミングによって使い勝手はかなり良くなると思います。高温による電池劣化は心配ですが。