西丹沢ユーシン渓谷

北海道美瑛町の青い池の写真がMacの壁紙に採用されて話題になりましたが、関東にも美しい青い渓流があることが知られるようになってきました。神奈川県の西端、丹沢湖の上流に位置するユーシン渓谷です。

県立丹沢湖ビジターセンター駐車場、バス停(玄倉)があります。
玄倉バス停までは国道246号線から分岐して車で10分、東名高速の大井松田ICからでも30分ほどで到着します。2020年には新東名の山北スマートICが道の駅山北の近くに建設される予定なので、東京方面からアクセスが大幅に向上します。
玄倉バス停までは新松田駅または谷峨駅から富士湘南バスが出ています。

EVで行く場合は経路上にある道の駅山北の急速充電器がNCS対応で24h使えます。また、丹沢湖の上流にあるかくれ湯の里 元湯 信玄館にもNCS対応の急速充電器があります。東京側からなら東名高速の中井PAや大井松田IC付近の日産ディーラー、静岡側からなら御殿場IC付近の急速充電器が使いやすいでしょう。

玄倉バス停から林道ゲートまでは3kmほどの道のりです。林道ゲートの直前には駐車場のようなスペースがありますが、通行許可が必要なので、玄倉バス停付近から歩くことをお勧めします。

関東でアクセスが容易ということもあり、人もそこそこ来ています。ゲートの先ではたまに軽トラックで作業している方を見かけました。

ゲートを抜けてから1時間半ほど歩いたところに、ユーシンブルーを見られる玄倉ダムがあります。玄倉川を見下ろしながら延々と歩きます。

このあたりは岩が崩れやすいようで、所々に岩石が転がっていたり、洞門(ロックシェッド)や隧道(トンネル)が設けられていたりしました。危険な道であることに注意して進みます。

隧道の中でも印象的なのが、新靑崩隧道です。新靑崩隧道は2007年に落盤の恐れで通行止めになった靑崩隧道の代わりに建設されました。トンネル内で道が曲がっているので、途中で全く光が届かない範囲があります。現代社会ではまず出会うことのない漆黒の闇の中に身を置くのはなかなか貴重な経験です。本当に何も見えないので、スマホのライトに頼るのではなく、懐中電灯やヘッドライトを持って行くことをお勧めします。

古い隧道も現役で残っています。

道のりを進むほど、谷は深くなります。滝や湧水も見られます。

 

玄倉ダムに到着しました。ここは神奈川県企業庁が管理しているようです。ダム湖の水が特にユーシンブルーと呼ばれ、美しいエメラルドグリーンに輝いていました。直射日光が届く、もう少し早い時間に到着していれば、もっときれいに見えたことでしょう。やはり山に行くのは朝ですね。

ユーシン渓谷の水が美しい青色を呈する理由を説明しているWEBページは少し調べたところ出てきませんでしたが、おそらく美瑛の青い池と同じでしょう。汚染されていない河川の水に色がついて見えるのは、分子振動に由来する赤色領域の光吸収が水分子にあるのを別にすれば、水中に浮遊する微粒子で散乱された光によるものと考えられます。つまり、いい感じの大きさの微粒子がいい感じの量だけると、きれいに色づいて見えるわけです。ユーシン渓谷の岩石は崖崩れが起こるくらいには崩壊しやすいので、いい感じの微粒子ができたのだと思います。そんな微粒子が濁るほどはなく、でも色がつくほどは存在したということでしょう。まじめに分析すれば説明はつきますが、誰もやらないでしょうね(笑)。いや、いまはスマホで分光器を作れる時代なので、分光分析の知識がある親御さんが子供の自由研究に乗じて調べてくれるかもしれません。

2月の終わりでも、所々雪が残っていました。

土砂崩れ対策のネットにおもしろい形の氷柱ができていました。

帰り道にふと見まわしてみると、洞門の上や防護ネットの下から岩石がはみ出していました。実際に行かれる方は十分に注意を払って歩いてください。

 

2017/4/14追記
福島県は裏磐梯の五色沼の色については研究がありました。福島大学で調べているようです。

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