ゴールデンウィークにスイス西部の都市ローザンヌに住む友人を訪ねました。
もくじ
ツェルマットとマッターホルン
この旅のハイライトともいえる一日が始まった。アルプスを代表する山であるマッターホルンへ向かう。ローザンヌからツェルマット Zermatt は鉄道で3時間ほどなのだけれど、この日はサンモーリスSaint-Maurice側の路線が運休だったので、ベルンBernを経由して、フィスプVisp、ツェルマットZermattと進んだ。
ベルンやツェルマットはドイツ語圏なので、フランス語圏の比べると地名が読みやすい。
フィスプVispから先はマッターホルン・ゴッタルド鉄道Matterhorn Gotthard Bahn。登山鉄道っぽさが増してくる。車両の中も観光地感が出ている。
ツェルマットの駅は近代的だし、駅前は商店が並んで活気があった。さすがに登山やスキーのお店が多くて、なんと日本のモンベルまであった。道路に面した一階は近代的なつくりでも、上屋の方は町の雰囲気を保つ木造建築になっていた。
ちなみにツェルマットは普通の自動車が進入禁止になっているので、電気自動車しかいない。駅の前にはホテルの送迎などで馬車を小さくしたような車両が並んでいてかわいらしかった。
駅前からはマッターホルンが見えないが、道なりに進むと教会のあたりで三角形のてっぺんが見えてくる。
マッターホルンの撮影にはお決まりの場所があるもので、日本人橋呼ばれる橋に日本人に限らず多くの観光客が集まっていた。
まだ10時くらいなのでチェックインはできないが、山歩きのためホテルに荷物を預ける。ユーレンJULENはスイスでも有名なホテルらしい。このあたりは友人まかせ。
ゴルナグラート鉄道と雪山散歩
ホテルに荷物を置いたらツェルマットの駅まで戻って、ゴルナグラート鉄道に乗る。観光客、特にアジア人がたくさんいた。
山並みに沿って急なカーブを曲がり続けるので、車輪はずっと甲高い音を発していた。列車が高度をあげるたびに空気は冷たくなった。窓を開けて写真を撮っていると、後ろ席のヨーロッパ人に寒いから閉めてくれと言われてちょっと休憩。しばらくすると絶景にひかれたのか、寒いと言っていた当人が窓を開けてマッターホルンにくぎ付けになった。そうでしょうとも、この絶景は我慢できないさ。
せっかくなので、ゴルナグラート鉄道の車窓からの眺めを4K動画で紹介しよう。車輪の音がけたたましいので音量に注意してほしい。
終点ゴルナグラート駅の近くにはレストランとホテルが入る建物がある。この建物の向こうに展望台があり、モンテローザと氷河、そしてマッターホルンというぜいたくな景色を楽しむことができる。
展望台まで登って、ツェルマットで買ったサンドイッチを昼食にする。レストランはセルフサービスで、中国人観光客で混雑していて、店員もやる気がない感じだった。友人いわく、昔はもっといい感じのお店だったらしい。地元民に迷惑がられつつもお金を落とすから無下にはされないという感じ、おそらく30年前の日本人もこんな扱いだったんだろう。
それはともかく、景色は最高だ。氷河なんて初めて見たよ。
腹ごしらえを済ませたら、本日のメインイベントである雪山歩きに出発。当初の予定ではここまで雪は積もっていないはずが、前週の寒波でトレイルが雪に埋もれてしまった。ツェルマットの観光案内でもRotenboden – Riffelbergのコースはcloesdの表示になっていた。とはいえこの晴天である。登山の装備もしてある。「ヨーロッパでは自己責任で行くものさ。大人なんだから。」という友人の声に従い、雪山トレッキング開始である。
まず最初にやったのはサングラスの購入。私は持っていたが、友人は持って来なかったのだ。この白銀の世界はまぶしすぎるのでサングラスが必須だった。
出発してすぐにアフリカ系のカップルと遭遇した。こちらは登山装備なのに、あちらは革靴だった。その装備じゃこれ以上進めないと思うよと助言でして、先に進む。
リッフェルゼーを見下ろす高台に到着するも、池は完全に雪の下。
リフェルゼーの近くにはローテンボーデンRotenboden駅があるので、往路と同じくゴルナグラート鉄道に乗ってツェルマットまで降りていった。白銀の世界を歩くなんて、最高の冒険だった。
ホテル
ユーレンホテルに戻った。雪山を冒険して疲れているので、まずは汗を流したい。ホテルにはプールとサウナがあるというので行ってみることにした。日本でいうところのスポーツジムに近い形かもしれない。プールに入ると水の浮力を感じて疲れた足腰が癒された。プールの次、サウナに入っているとびっくり。全裸の男女が入ってきた。そのうえ、何で水着なんて着ているんだ、それでは悪いものを流しだせないだろうと注意されてしまった。その男女はドイツ人の夫婦でサウナが好きだそうで、ヨーロッパのサウナは全裸で入るものだという。出た後で入り口の扉をみたら、確かに18歳未満は入場禁止となっていて、全裸で入る感じだった。こちらは日本人の男女混成チームなのでとても気まずい。
汗を流して着替えをしたら晩御飯の時間だ。ツェルマットはドイツ語圏なのでソーセージをはじめとした肉料理が有名らしい。給仕のお姉さんにラム肉を勧められたのでチャレンジしてみる。
朝食はチーズとハム、そしてパンにシリアルとさっぱりした感じにした。
朝食を済ませたところで出発。この日は雪だったので、ツェルマットを離れてベルンを観光することにした。
ベルン観光に続く