2018年10月

10月の走行距離は1018 kmでした。

電費は7.6 km/kWhで9月から0.7 km/kWh低下しました。寒くなりだして暖房を使ったことや、9月はほとんど遠出をしなかったことが影響しています。

月額2,160円のZESP2に対して、ガソリン153 円/Lとして燃費72.2 km/Lと同等です。

急速充電 11回、普通充電は0回、急速充電1回あたりの走行距離は93 kmでした。

投資で楽して儲けるための情報まとめ

お金が欲しい。楽して稼ぎたい。
そんなことを言う人は多い割に、具体的な行動を起こしている人は少ないのが実際です。ここでは、自分の投資計画のために集めた情報をまとめています。

具体的な投資の商品を勧めるものではありません。うまい話には裏があります。投資をする場合は、仕組みを理解したうえで、すべて自己責任でやりましょう。

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寄附の税制優遇

寄附金に対しては寄付金控除という制度があり、確定申告することで所得税の一部が還付される。

個人が認定・特例認定NPO法人に寄附した場合

確定申告することで所得税の控除が受けられる。都道府県または市町村が認定している団体については、住民税の控除も受けられる。

国立大学法人に寄附した場合

確定申告することで所得税の控除が受けられる。都道府県または市町村が認定している団体については、住民税の控除も受けられる。国立大学法人等の修学支援事業に対する個人からの寄附に係る所得税の税額控除についてにあるように、各大学の修学支援事業の枠に対して寄附する場合は所得控除に加えて、税額控除を選択することもできる。小口の寄附ではたいてい税額控除の方が所得税の還付が多くなる。

確定申告について

税務署に行くと待ち時間がないので、確定申告書作成コーナーで申告書を作成して郵送またはe-Taxで提出するのが楽である。
郵送で提出する場合は、申告書作成コーナーで申告書を作成すると、最後に印刷すべき書類や添付すべき書類を指示されるので、指示の通りに印刷して郵送すればよい。
e-Taxは本人確認のためマイナンバーカードと対応するICカードのリーダが必要である。ただし、2019年1月より税務署であらかじめ本人確認することで、IDとパスワードを発行できるサービスが始まる予定である。
e-Taxでは寄付金控除の証明書を添付することを求められないため作業が楽であるが、自分で証明書を5年間は保管する必要がある
問題なく処理されれば、4月ごろには税務署から還付金が振り込まれる。

BMW i3の製造工程

BMV i3は、三菱i-MiEV (2010年)、日産リーフ (2010年)とともに、現在のEVブームの初期 (2014年) から日本国内で個人が入手できるpure EVのひとつです。軽量化のためCFRPでつくられたボディ、細いタイヤ、ワンペダルドライブなど、おもしろい特徴を備えています。

BMW i3の製造工程を紹介する動画をYouTubeで見つけたので紹介します。40分と長いですが、なかなか見ごたえがあります。よくこれだけの製造ラインをつくったなと。自動車産業が資本と技術を集積した先進工業国の象徴のように扱われる所以を見たような気分です。

神奈川県EV・FCV認定カード

EV・FCVへの優遇政策としては、購入時に国から補助金が出たり、税金が減免されたりする制度がよく知られている。一方で、各自治体からも補助金をはじめとしたさまざまな優遇が用意されている。

たとえば、神奈川県に住所がある個人や、事務所がある法人には、県営駐車場の料金が割り引かれる制度がある。詳しくは神奈川県の駐車場料金の割引を参照してほしい。江の島や箱根といった観光地に近い駐車場も割引対象になっている。

申し込みには申請書と車検証の写しを郵便またはFAXで県に送ればよい記載例もあるので、申請は難しくない。申請すると1週間弱で認定カードが郵送されてくる。

神奈川県EV・FCV認定カード
金太郎さんは箱根のあたり出身らしい

エネルギー転換への一里塚 九州における太陽光発電出力抑制

2018年10月の土日に、九州の太陽光発電に対して出力抑制がかかった。その規模なんと93万kW、最新の原発1基分に相当する。実にもったいない。なぜ、そんなもったいないことをするかといえば、出力抑制しなければ停電する恐れがあったからだ。
先日の地震をきっかけとした北海道ブラックアウトによって、電力の需給バランスが崩れると大規模障害に陥る危険があることが一般にも知られるようになった。もちろん、このような大規模障害がこれまで発生しなかったのは昔から電力会社が同時同量を維持してきたためである。主に火力発電所が需要に応じて出力を調整することで、社会が必要とする電力に対してちょうどいい量の電力が供給されてきた。需要側の都合に供給側が合わせてきたわけだ。

太陽光や風力といった不安定な自然エネルギーに頼った社会を構築するとなると、供給側の不安定さを織り込んだ電力網を作らなくてはならない。かといって、天気が悪くなったら強制的に消費電力を抑えるシステムなど非現実的だろう。仕事中に急にパソコンの電源が切れたり、製造装置が止まったら仕事にならない。結局のところ、需要側に合わせて供給側が動く立場は変えられない。

再生可能エネルギーを利用した発電が不安定というならば、電気を貯めておく仕組みを取り入れればいいと考えるだろう。ところが、電力を大規模かつ安価に貯蔵できる技術はなかった。それゆえに需要に合わせて同時同量の電力をつくるしかなかった。「なかった」と過去形で書いているのは、ようやく電気を貯めることができるようになりつつあるためだ。リチウムイオン電池の大容量化と低廉化はまさにその象徴である。現在のEVブームは、ようやく車を動かすくらいの大電力を蓄えられる電池が登場したことに端を発する。再生可能エネルギーの出力安定化のような電力網に接続する蓄電池あれば、EV用の電池がエネルギー密度を重視するのに対して、容量とコスト (耐久性を含む) に重きが置かれる。日本ガイシのNAS電池住友電工のレドックスフロー電池といった別方式の蓄電池が使われることもあれば、フライホイールを使って物理的に電力を貯蔵する方式も実証試験が行われている。いまさら騒ぐほどのことでもなく、太陽光や風力は不安定であるという前提のもとで、数十年前から地道な技術開発が行われてきている。おかげで、ようやく蓄電システムのコストが現実的なところまで下がってきた。

ここで冒頭のニュースを振り返ってみると、ある意味では滑稽な感じがするが、実は良いニュースであることがわかる。太陽光発電が普及すれば、それこそ火力発電も原子力発電も要らないくらいに普及すれば、必ず太陽光発電の出力調整を必要とする。逆に、既存の発電所の出力調整で間に合っているうちは、太陽光発電の量が小さいことを意味している。九州で太陽光発電の出力抑制が発動したのは、それだけ大規模に太陽光発電が普及した何よりの証拠といえる。ただ、残念なことに、出力抑制が必要になることなど目に見えているのにも関わらず、十分な蓄電池システムが予め整備されていなかった。九州電力は蓄電池と揚水発電、さらには本州への送電によって昼間の余剰発電量を吸収したが、それでも容量が足りなかった。だが、これは仕方ないことではある。人は痛い目にあわないと、対策をしない。

メガソーラーを設置するような大規模太陽光発電事業者は営利のために太陽光発電をしている。蓄電システムの設置は余計なコストであるから設置しないというのが合理的な判断だ。営利目的だからこそ事業者が勝手に規模を拡大してくれるので、営利目的が悪いわけではない。営利目的の事業者が社会にとって望ましいふるまいをするようなルール作りこそが必要なのである。まさに固定価格買取制度が太陽光発電を普及させたように。その意味でいえば、蓄電システムを設置しなければ、蓄電のコスト以上に利益が目減りする状況になればこそ、蓄電システムを備えた太陽光発電所が普及することになる。九州はその段階に達しつつある。

再生可能エネルギーをより一段と普及させるには、蓄電を含む配送電のシステムを構築することが不可欠だ。そして、日本が特に遅れているわけではない。この界隈ではよく知られているように、ドイツがあれだけ再生可能エネルギーを導入できたのは、欧州全体に広がる電力網を通じて近隣諸国に「売電」することができ、逆に天候が悪いときは買電することで同時同量の帳尻を合わせることができたためだ。ドイツ国内で脱原発といいながらフランスの原発から電力供給を受けている。また、電力需要地である南部の工業地帯と風力発電が盛んな北部をつなぐ電線が貧弱で、ドイツ国内でバランスが取れていないことも問題となっている。このように再生可能エネルギー先進国とみなされるドイツでさえ、難しさをかみしめつつ進んでいる。日本も着実に前進しているからこそ、新しい問題にぶつかっているといえよう。

ところで、冒頭の記事にはドイツの例として余剰電力で水素を製造し、天然ガスのパイプラインに混合させる利用法が紹介されていた。この例から日本でも水素の状態で蓄えることが良いという考えが浮かぶだろう。なんといっても日本にはFCVの旗振り役であるトヨタがいる。しかし、水素ガスは貯蔵性が決して良くないことは覚えておく必要がある。水素はあまりにも小さいため、金属製の容器では金属原子間に入り込んでしまうことが知られている。このためFCVの水素タンクは炭素繊維で作られている。水素を製造して、貯蔵する技術については、製油所のような大規模な水素ガス取り扱い施設での水素の扱いが参考になるかもしれない。

西伊豆スカイラインの星空#2

以前、THETA Sの発売日に西伊豆スカイラインで星空撮影をしました。カメラをFUJIFILM X-T2に更新し、さらには簡易赤道儀まで購入してしまってから、同じ場所で天の川の撮影をしたいと思いつつも条件がそろわない日々が続いていました。天の川を撮影するには、月が新月または沈んでいる時間帯において、 光害が少ない撮影スポットが快晴であり、かつ翌日が休日であること(撮影で徹夜になるため、翌日に仕事があるとキツイ)が望ましいわかけです。久しぶりに星空撮影に適した日がありました。
星空撮影の条件については以前のまとめをご覧ください

2018年10月7日。本当は美ヶ原高原に行こうと思ってGPVを見ていたところ、長野は天気があやしいのに対して西伊豆が快晴になる時間帯があると気づきました。カメラはFUJIFILM X-T2、三脚と赤道儀ポラリエを携えて土肥駐車場に向かいました。

これだけ条件が揃っている日ならたくさん人がいるだろうと思ったら、案の定車が何台も停まっていました。中には、反射望遠鏡を持ってきている集団も。駐車場は人が多いと伽藍山に登って撮影されていた方もいる様子。せっせとこちらも撮影準備を始めます。

なお、本ページの画像は撮って出しからクロップまたはリサイズしたものです。

まずはゴージャスな天の川と夏の大三角形。ポラリエの軸合わせが少し適当なところがありますが、ただカメラを三脚に固定しただけのときとは印象が違います。

天の川と夏の大三角形

今回は撮影よりも同行した星座マスターの友人に星座を教えてもらうのに時間を使い、それほどたくさんは撮影できていません。THETA Sとポラリエを組み合わせたら、どんな写真が撮れていただろう。

22時ごろから雲が出てきましたが、このまま待っていれば冬の星座も見えるかもしれないと午前1時まで車中で待機しました。雲が出ていない時間を狙うと、はっきりとオリオン座の姿を見えることができました。観察をはじめたころは東の山の端にあったすばるが天高く上っています。

冬の天の川とオリオン座方面

この日はペガスス座が終始よく見えていました。同行した友人が、もしかしたらアンドロメダ銀河も見えるのではないかというので、アンドロメダ銀河の場所を探してみると、肉眼でもぼわっとした明るい領域が見えるではありませんか。
カメラのレンズを望遠に換装、がんばって視野を合わせます。

アンドロメタ銀河方面
XC50-230 mmの広角側で撮影
M31アンドロメダ銀河付近を拡大

アンドロメダ銀河までの距離は230万光年。夜空を埋め尽くす星々が、肉眼で見えるものに限って言えば、ほとんど天の川銀河の腕の一部でしかないことを思い出すと、別の銀河の光が見えるという体験は特別なものです。

2018年9月

9月の走行距離は329 kmでした。

電費は8.3 km/kWhで8月から1.0 km/kWh改善しました。9月は気温が落ち着いてきたのでエアコンの消費電力が抑えられたのと、忙しくて遠出をしなかったので高速走行がなかったのが理由でしょう。

月額2,160円のZESP2に対して、ガソリン147 円/Lとして燃費22.5 km/Lと同等です。あまり距離を走らないと、EVのコストメリットは弱くなります。

急速充電 3回、普通充電は0回、急速充電1回あたりの走行距離は110 kmでした。

2018年8月

8月の走行距離は2,464 kmでした。

電費は7.3 km/kWhで7月と同等でした。

月額2,160円のZESP2に対して、ガソリン146 円/Lとして燃費166 km/Lと同等です。イニシャルコストが高いだけランニングコストが低いというのをひしひしと感じます。

急速充電 29回、普通充電は1回、急速充電1回あたりの走行距離は85 kmでした。

リチウムイオン電池と燃料電池は適材適所で

エコカー界隈では、次世代自動車は電気自動車(EV)か燃料電池車(FCV)かという議論が繰り返されています。FCVがトヨタMIRAIくらいしかない現状ではEVが有利に見えるものの、航続距離と充電時間の問題から、ガソリン車と同様に使えるはずのFCVが最終的には有利になるという意見が見られます。EV vs. FCV論争に決着がつくのは、おそらく何十年も先の未来の話で、それまでは不安定な過渡期にすぎません。

EVにしろFCVにしろ、時代の最先端の技術に違いはないわけで、未来を先取りする気分で私は日産リーフに乗っています。実際に車を購入するときに問題なのは、価格です。自分のお財布の限界を超えてモノを買うことはできません。私が乗っている2代目リーフXは400万円から補助金40万円を引いて自己負担額360万円でした(2017/9)。一方、トヨタMIRAIなら車体724万円から補助金202万円を引いて自己負担額522万円です (2018/9)。私は夢を買おうと背伸びしてリーフを購入しましたが、さらに150万円近く上乗せしてFCVを買うのは不可能です。

ところが、最近になって驚くべき記事を読みました。トヨタはMIRAIを4年リース価格362万円で販売しているというのです。仕組みとしては、いわゆる残価設定ローンで4年後の買い取り価格を50%に設定しているそうです。国からの補助金は相変わらず202万円出るので、正味160万円。残価設定ローンの金利が乗って最終的な自己負担額は220万円くらいでしょう。これは背伸びすれば手が届く!
近所に水素ステーションがない問題 (2018/3時点で全国100か所)と、水素価格がガソリン並みに高くランニングコストが案外高い問題が解決できれば、あるいは気にならなければ、FCVをマイカーにすることも現実的に可能です。実際に、愛知県では休日にマイカーとしてMIRAIに乗っている方をちらほら見かけます。

FCVの普及を妨げているのはコストの問題が大きいです。車体価格が高い問題はいずれ解決されるかもしれませんが、水素補充インフラの整備にも大きなコストがかかります。たとえば、水素ステーションの建設に1か所5億円(ガソリンスタンドは7千万円)ほどかかるといわれています。ガソリンスタンドは全国で3万件ほどありますが、FCVが普及期に入ってコスト低下が起きない限り、水素ステーションを全国津々浦々に設置するのは難しいでしょう。

こういう書き方をしていることからお分かりなると思いますが、マイカー、乗用車の分野においては、FCVよりEVが現実的だと私は考えます。充電インフラは家庭や宿泊施設などに設置される普通充電器なら30万円、道の駅やサービスエリアに設置される急速充電器でも1000万円程度です。数字の出所は2013年の資料ですから、普及期に入ればもう少し下がるでしょう。水素補充インフラと比べれば桁で安いのです。結果として、2017/3時点で急速充電器の数は7千件を超えています。都市部ではよく見かけるようになり、自家用車としてどうにか運用できるレベルになっていると思います。

それでは、FCVに未来はないのでしょうか。私はそうは思いません。むしろ、FCVに適した車の使い方があり、コストが高い過渡期においても優位性を発揮できる分野があると考えています。

最近、ドイツの地方鉄道に燃料電池列車が導入され運行を開始したというニュースが出てきました。ドイツの鉄道は電化区間が49%でディーゼル機関車が多く走っており、電化工事を進めるよりも燃料電池列車を導入する方がコスト面で優位になったそうです (日本は電化区間が7割弱)。鉄道のように決められた経路を決められたスケジュールで移動するのであれば、水素補充インフラの建設費は最小限で済みます。燃料電池を鉄道に使うのはインフラ整備コストの点で適しています。

日本でも燃料電池列車の研究開発は行われています。ただし、非電化路線への電動車両導入という点では、EVが先行しました。JR東日本の烏山線では、2014/3から宝積寺駅から烏山駅の約20 kmでEV-E301 系(ACCUM)が運行しています。宝積寺駅と烏山駅で停車中に急速充電してEV走行、電化された宇都宮線では普通の電車と同じように架線から電気を取り込んで走行しています。2017/3から烏山線はすべてEVに置き換わっているそうです。

鉄道においてFCVを選択したドイツと、EVを選択した日本。この違いは何なのでしょうか。私の予想では、運行区間の距離が選択を分けていると考えています。FCVを導入したドイツのブクステフーデ駅からクックスハーフェン駅の間は124 kmあり、烏山線の6倍もの長さです。自動車のFCVとEVの比較で航続距離が問題になるの同じく、鉄道でも長い距離を自立走行するにはFCVの方が適しています。

航続距離の違いは、水素とリチウムイオン電池のエネルギー密度の違いに由来します。水素タンクにしろ、リチウムイオン電池にしろ、車両のエネルギー源に使うことを考えると、重すぎては使えないし、大きすぎても使えないという制限があります。したがって、同じ重量でどれだけのエネルギーを蓄えられるかを表す重量エネルギー密度、同じ体積でどれだけエネルギーを蓄えらえるかを表す体積エネルギー密度の両方が高いエネルギー源が求められているわけです。

ガソリンと比べて、水素のエネルギー密度は重量エネルギー密度がやや高く、体積エネルギー密度が1/6ほどです。リチウムイオン電池は重量でも体積でもガソリンの数十分の1から1/100程度のエネルギー密度しかないので、現状のEVは大きな走行用電池を搭載せざるを得ません。また、FCVなら水素タンクのほかに燃料電池ユニットや補助バッテリーがあったり、EVなら急速充電用の配電装置や走行用電池の冷却ユニットがあったりして、システム全体としては前述の値よりもエネルギー密度が小さくなります。

リチウムイオン電池のエネルギー密度を桁で上回るような二次電池が今後20年以内に登場する可能性はほぼありません。ネットで最新の情報を調べてリンク先のような計算をすればエネルギー密度は自分で計算できますので、「革新的」だとか「画期的」という電池のニュースがあったら現状と比較してみてください。私の乗っている日産リーフ (2017) の電池は体積エネルギー密度460 Wh/L, 重量エネルギー密度224 Wh/kgです。電池パック全体で300 kgなので、重量エネルギー密度を計算すると132 Wh/kgですから、電池のまわりにいろいろと追加したシステム全体では見かけの上でエネルギー密度が小さくなるのがわかると思います。

EVの航続距離がリチウムイオン電池のコストで決まるなら、電池が安くなれば航続距離が延びます。しかし、実際にはエネルギー密度という材料の性質で決まっています。材料の研究開発は難しいので、10年で2倍になったら万々歳という程度の進歩しか期待できません。

5人乗りの自家用車であるリーフが満充電で高速を走ったとき、ようやく300 km走れるくらいのレベルになりました。それでは、より大きく、重たい車両の航続距離はどうなるでしょうか。大型車両にはより大型の電池を搭載できるとはいえ、大型バスや大型トラックがリチウムイオン電池の電力だけで長距離走行するのは難しいだろうと予想されます。逆にいえば、このような分野はEVよりFCVに優位性があります。

長距離走行する大型トラックや大型バスは、ある程度走行ルートが決まっているという点もFCVに向いています。バスターミナルや物流拠点と高速道路のサービスエリアに絞って水素ステーションを建設すれば、効率的に全国をカバーする水素インフラが成立するでしょう。前述した鉄道についても、非電化区間が長い四国、中国、北海道地方はコスト次第でFCVに置き換えることができる可能性があります。

EVにしろ、FCVにしろ、エネルギー密度で考えれば、生活の足はEV、長距離移動や大型車はFCVが向いているとわかります。2018年の時点では乗用車としてのEVが普及しだしていますが、大型車のような社会を支える働く車まで考えると、将来は適材適所に住みわけることになるでしょう。


2018/9/30追記
9/27にJR東日本とトヨタが燃料電池で連携することを発表しました。本稿で述べたように、非電化路線やバス路線への燃料電池車両投入はインフラ整備コストからして現実性のある分野です。水素燃料の貯蔵・輸送技術をはじめとして、まだまだ発展途上にあるのがFCVの実状。技術の進歩は使われることによって促進されるので、実証実験ではなく通常の営業運転にFCVが投入されることで、より現実的な技術に成長することが期待されます。