以前から効率化が叫ばれて久しいところコロナ禍の到来によって業務のデジタル化が待ったなしの状況です。しかし、どのような考え方で、どんな手法を使って、身の回りの環境を変えていけばいいのか、そこにはどんな困難が生じやすいのか、知識がないところから気合だけ振り絞っても空回りしてしまいます。本稿では、現場からデジタルトランスフォーメーションの機運を上げるために役に立ちそうな資料をまとめます。
書籍
書籍は情報が整理された宝箱です。出版されているだけで権威付けもされて、まじめに読んでみようという気にさせてくれます。
組織を動かす
- ビジネスパーソンのための法律を変える教科書
身の回りのルールの中で最も変わりにくいように見える法律を変えるための方法と事例がまとめられています。 - 人を動かす 文庫版
古典作品です。自分の都合に良いように他人を動かすのは難しいことですが、社会が生まれてからこのかた変わらぬ方法・考え方がありそうだと学べます。 - おとしどころの見つけ方 世界一やさしい交渉学入門
自分の考えや要求を一方的に押し付けても相手にYesと言わせることは困難です。交渉の方法論を学ぶことで、望ましい結果を手に入れましょう。
使いやすい仕組みをつくる
- UI/UXデザインの原則
デジタル化はそれ自体が目的ではなく、コンピュータの力を借りて、簡単に、速く、確実に業務を遂行できるようにすることが目的です。ヒトとコンピュータが向き合うUser Interface、ヒトが感じるUser Experienceをいかに優れたものにするかを学べます。デザインの考え方は紙の資料でも役に立ちます。
WEB
WEBはリンクから手軽に情報にアクセスできるのが魅力です。無料のサイトなら、必要なのものは時間と前向きな時間だけ。他人に新しいアイデアを紹介するとき、入口として最適です。
まとまりの良いもの
- 巣ごもりDXステップ講座情報ナビ (経済産業省)
デジタルスキルを学ぶのに使えるオンライン講座を紹介しています。
省庁の情報ですから、権威付けもバッチリです。 - DXレポート2(中間取りまとめ)(経済産業省)
リンク先の関連資料や報告書はよくまとまっていてわかりやすいのみならず、上司の説得などにも利用しやすいものです。 - Sociomediaヒューマンインターフェース ガイドライン
ユーザーが利用しやすいデザインの考え方を多くの例を以て学べます。
単発記事
- Agile Japan 2020 参加レポート「基調講演:New Normalの観点から可視化されるDX推進の課題と経済産業省の政策展開 — 「2025年の崖」問題に対してアジャイルへ期待するDXの本質 –」
デジタルトランスフォーメーションって何をすればいいの?何が嬉しいの?という問いに対して例と方向性を示してくれます。 - Agile Japan 2020 参加レポート「アジャイル開発の時代」
組織の文化を変える継続的な取り組み方を紹介しています。 - デジタルトランスフォーメーションで人間味を犠牲にしない方法
デジタルツールは適切に使って客の満足度を上げるもの。 - 削減時間だけではない!RPAを導入した企業で実際に起きていること
RPAを導入して何が嬉しいのかという身近な事例集。わかりやすい数字の削減時間以外にもあることが現場レベルで想像できる。 - 頓挫した「若手向け2D製図研修」 そこに製造業DXの本質がある
デジタル技術の存在を前提として業務を刷新するとはどういうことか、反面教師を示している。かつて役立っていたものをそのまま導入するのは環境の変化を無視しており功を奏すことはない。問題の本質をとらえた上で「デジタル技術の存在を前提として」実行方法を考えれば、組織の力になる。