写真データをSDカードに入れたまま保管してはいけないのではないか?

デジタルカメラの普及によって、フィルム時代には考えられないほどの量の写真が撮影されるようになりました。そこで問題になるのが保存です。フィルム時代はアルバムに写真プリントを一枚一枚入れていけばよかったものの、今ではもはやプリントすること自体が稀です。

私のような機械オタクはTB級のHDDでマイグレーションするなりオンラインストレージを使うなりするから良いものの、一般の方はスマホに入っているデータを機種変更時に移し忘れたら消滅するような状況ではないでしょうか。

最近の結婚式では披露宴で新郎新婦のプロフィールムービーを流すことが多くて、幼少期から最近まで、多くの写真が使われています。30年近く前の写真がほとんど色褪せずに残されているわけで、家族写真が大切に保存されていたことがわかります。

それでは、今年生まれた赤ん坊の写真は、デジタルデータとして全く色褪せることなく30年後まで送り届けられるのでしょうか。そうならないのではないかと、私は心配しています。

先日、次のような記事を見つけました。

赤ちゃんの「今」どう残す? プロに聞く撮影のコツ
中日新聞2018年3月9日
画像をパソコンやDVDなどに移し替えるとカードを繰り返して使えるが、脇田さんが勧めるのは、カード自体の保存。「赤ちゃんのときの写真は何十年たっても家族の宝物。ケースに日付を書いてオリジナルデータを保存しておけば、見たいときにきれいな画質で見られます」と話す。

写真データの散逸が起こらないようにするために、データが入っているSDカードなどのメディアを物理的に保存すればよいという考えです。アルバムの代わりにカードがある。これは手軽でわかりやすいので、一見理想的な写真の保存・整理法に見えます。ところが、ここでは「メディアの寿命」が見落とされています。

デジタルデータは0と1の羅列なので、自然にこれが変わることはないと思われています。しかし、実のところ、その0と1が何かしらの物質の上にあるために、意図しないデータの変化すなわち誤り(エラー)が発生します。エラーの発生は珍しいことではなく、いまこのページを見るためにインターネット上で行われた通信でもいくらかエラーが生じています。私たちがそれを意識しないのは、エラーが発生する前提で、最終的に正しいデータをやり取りできるようにする仕組みが構築されているためです。

ただ、誤りを訂正する仕組みがどうあったとしても、その訂正能力を超えて壊れたデータを復元することはできません。写真データをSDカードで保存する例でいえば、カメラやスマホからSDカードを抜いた状態で保管していると、数年でデータが蒸発します。こうなるともはやデータを読み出すことができません。Wikipediaのフラッシュメモリの項にも書かれていますが、一般論として5年から10年ほど放置しておくと、データが消えると言われています。

冒頭で引用した記事でも書かれているように、赤ちゃんのときの写真は何十年たっても家族の宝物であるとしたら、SDカードに入れっぱなしで10年以上放置するのは、適切でないように思います。ここ数年の技術的な進歩で寿命が延びているのなら良いのですが。

写真データを長期にわたって保存したい場合は、PCやスマホなどに取り込んで、かつPCやスマホを乗り換える際には必ずデータを移行するのを忘れないようにするのが良いでしょう。できれば、オンラインストレージなどでバックアップをしながら。私はOffice365を個人契約で使っているので、OneDriveが1TB使えます。一回旅行に行くと1,000枚以上撮影するような写真好きでなければ、Google DriveやDropboxなどのオンラインストレージの無料枠だけでもそれなりの写真が保存できるはずです。フィルム時代のように、保存する写真を厳選するのもいいでしょう。

あるいは、残すべき写真を厳選して、昔ながらの写真プリントにするのもいいでしょう。年に一度、たとえば年末の大掃除の時などに、残すべき写真を選んでプリントし、アルバムにする。写真屋さんの写真プリントは家庭のインクジェットとは異なり、紙からインクから耐久性が高いものを使っているので、アルバムに入れて冷暗所に置いておけば半世紀近く持ちます。数十年経つと多少色褪せますが、何が写っているのかは判別できるはずです。
最近では手間のかかる写真の選別からレイアウトまで自動で行ってくれるイヤーアルバムのようなサービスもあるので、たくさん写真があって選べないという状況でも、機械がどうにかしてくれます。私は友人の結婚式や長い旅行の想い出を残すのに何回かイヤーアルバムを使っていますが、納得できる仕上がりだったのでお勧めします。

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