日産リーフ」カテゴリーアーカイブ

急速充電器も倒れる暑さ RAPIDASの場合

日産リーフの走行用バッテリーは自然冷却なので急速充電や高速走行を繰り返すと出力制限がかかります。これはリチウムイオン電池が高温に弱いため60℃を超えないように制御が入るためです。猛暑の夏は始動前からバッテリー温度が高く、急速充電を2回もすれば充電電流制限がかかります。

車載バッテリーの温度が高くなくも、急速充電器側が高温の場合に充電できない事象に遭遇しました。JFEテクノス製RAPIDSは充電器内に大容量のリチウムイオン電池を搭載することで、低圧受電設備でも50kWの出力があります。RAPIDASの登場により、道の駅など20kW級の遅い急速充電器ばかりが設置されていたような場所にも50kW級の急速充電器が設置されるケースが増えたように感じています。多くのEVユーザーから感謝されている急速充電器でしょう。

RAPIDASは内蔵電池を使うため、放電しきってしまうと再充電するまで車両への充電電流が半分程度に抑制されてしまいます。残念な感じがしますが、構造上仕方がありません。さらに、急速充電器の温度が高すぎると車両へ充電ができません。真夏にRAPIDASで充電を始めようとしたところ、絶縁チェックに入ったところでエラーが発生しました。Fault Code 305、再起動してくださいというメッセージが出ていたので、充電器に表示があるコールセンターに電話したところ、本体が高温なので温度が十分低下するまで待つ必要があるという回答をいただきました。外気温が40℃近い真夏らしいトラブルです。幸い10分ほど待ってから再度充電を試みたところ、正常に充電が始まりました。電流値も91Aとまずまずの出力でした。

EVに乗って4年近くが経ちますが、急速充電器も暑さで倒れるということを初めて知りました。

2019年6月

6月の走行距離は791 kmでした。

電費は7.7 km/kWhで5月から0.2 km/kWh悪化しました。エアコンの使用量が変動の理由でしょう。

月額2,160円のZESP2に対して、ガソリン140 円/Lとして燃費51.4 km/Lと同等です。

急速充電 9回、普通充電は1回、急速充電1回あたりの走行距離は88 kmでした。20 kW急速充電器のある商業施設で日常の買い物をするようにしてみたら、充電回数が増えました。

2019年5月

5月の走行距離は1028 kmでした。

電費は7.9 km/kWhで4月から0.8 km/kWh改善しました。気温が暑くも寒くもなかったのえ、この程度の電費になっているのだと思います。

月額2,160円のZESP2に対して、ガソリン145 円/Lとして燃費68.9 km/Lと同等です。走行距離が月あたり1,000 kmくらいになると、ガソリン車との明確な違いを感じられます。

急速充電 10回、普通充電は0回、急速充電1回あたりの走行距離は103 kmでした。

電柱をEV充電の拠点に 東電、普及へコスト半減

電柱をEV充電の拠点に 東電、普及へコスト半減 日経新聞2019/6/11

電柱に隣接させて急速充電器を設置できるような工法をつくったことで、設置コストを下げたというニュース。工事費用が通常300万円程度なのに対して半減できるという。東電は首都圏に100台の急速充電器を設置し、需要に応じて増設する予定。
記事にある写真の急速充電器は20~30 kW級のタイプなので、50kW級やこれから増えるだろう90kW級に対応できるのかが気になるところ。
工法それ自体というよりも、地権者との交渉から工事までを一貫して請負うという新しい商品を作るというのが東電のねらいだろう。電力会社らしく急速充電器向けの電力プランをつくるというのは面白い。

ただ、EV乗りの立場から言うとEVが増えるからといって急速充電器をガソリンスタンド並みにどこにでもあるようにしなければならないかという、そうではない。これから電池容量が大きいEVが増えていくとしたら、より高速な急速充電器の設置と、「ながら充電」をできる場所を増やすことが効果的だと考えている。

より高速な急速充電器の必要性はわかりやすい。単純に考えれば、2倍の電流で充電すれば、1/2の時間で同じ電力量、同じ時間で2倍の電力量を充電できるからだ。急速充電器はどこかへ出かける経路上での充電に使われることから、充電に要する時間が短いことは良いことだ。また、初期のころは電池容量が小さかったので、充電器より電池の性能が限界を決めていた。日産ディーラーでよく見る44kWの充電器で30分充電すると20kWh強が充電できる。初代リーフの電池は安全マージンを含めても24kWhなので、すぐに充電率があがってしまいフルパワーで充電できる時間は15分そこらだった。2代目のリーフでは電池が40kWhになり、44kW充電器のフルパワーでほぼ30分間の充電が可能だ。さらにe+では電池が62kWhになったので、電池よりも急速充電器の方が限界になった。e+と時を同じくして90kW急速充電器の配備が始まったのはこういうわけだ。

急速充電の話をすると充電のために30分待っていなければならないような気持になるが、待っている必要はない。たとえば、食事をしながら、買い物をしながら、映画をみながら、宿泊しながら、というように、何か別のことをしている時間に車を充電しておければ、充電時間が長いとか短いとかいうことを気にする必要はない。いまでも自宅で寝ながら充電しているEVオーナーは多いわけで、そのような人は電池が持つならわざわざ出先で充電することはない。私の実感としても、リーフの電池が40kWhになってから高速道路のSAや道の駅で充電待ちをすることが減ったように思う。40kWhあれば高速道路を走っても250kmくらいは走れる。電池がなくならないのだから出先で充電する必要がないのだろう。マンションに住んでいたり、自宅外に駐車場を借りているような人が普通充電設備を設置しやすくしたり、大型商業施設のような人が集まってきてそれなりの時間を過ごす場所に充電器がたくさん設置されるようになれば、充電の待ち時間というのは主観上なくなる。

電柱を利用して20kW級の中速充電器が安く設置できるようになると、ショッピングモールや映画館は相性がいいと思う。その際には30分の制限をなくしてほしいものだ。特に映画は30分では終わらないので、2~3時間ほったらかしにしておけるような環境がほしい。充電待ちの人が勝手に抜き差しできるように待機場所を確保してくれるだけでもいいのだけれど。

2019/6/30追記
EVSmartブログに東電取材記事が掲載された。道の駅や高速道路のPASA、商業施設などがターゲットだという。なるほど大規模な施設なら駐車場に隣接する位置に道路や駐車場があるのだから、場所の都合がつくわけだ。同じように普通充電器の親機を設置して、近接する数台分の駐車マスで使えるようにしてほしいなあ。

2019年4月

4月の走行距離は269 kmでした。

電費は7.1 km/kWhで3月から0.4 km/kWh悪化しました。長距離の運転をしなかったので、市街地で頻繁な加速と減速を繰り返していたのが理由でしょう。

月額2,160円のZESP2に対して、ガソリン142 円/Lとして燃費17.7 km/Lと同等です。ガソリン価格が上昇してきましたが、距離を乗っていないので経済的なメリットが出ていません。

急速充電 3回、普通充電は0回、急速充電1回あたりの走行距離は90 kmでした。

2019年3月

3月の走行距離は750 kmでした。

電費は7.5 km/kWhで2月から0.8 km/kWh改善しました。暖房利用の程度が違いの理由でしょう。

月額2,160円のZESP2に対して、ガソリン138 円/Lとして燃費48.1 km/Lと同等です。

急速充電 8回、普通充電は1回、急速充電1回あたりの走行距離は94 kmでした。

2019年2月

2月の走行距離は808 kmでした。

電費は6.7 km/kWhで1月から0.3 km/kWh低下しました。暖房と高速道路の利用の程度が違いの理由でしょう。

月額2,160円のZESP2に対して、ガソリン136 円/Lとして燃費50.9 km/Lと同等です。

急速充電 10回、普通充電は1回、急速充電1回あたりの走行距離は81 kmでした。

2019年1月

1月の走行距離は665 kmでした。

電費は7.0 km/kWhで12月から0.8 km/kWh改善しました。昼間の暖かい時間に運転することが多かったこと、高速道路を使う距離が短かったことが理由でしょう。

月額2,160円のZESP2に対して、ガソリン135 円/Lとして燃費41.5 km/Lと同等です。

急速充電 6回、普通充電は0回、急速充電1回あたりの走行距離は111 kmでした。

Nissan EVアプリの機能追加

自動車メーカーだけあって、スマホアプリの使い勝手がいまいちな日産。きっとテスラならこうはならないだろうと思いながら、それでも機能は便利なのでアプリを使っているオーナーは多いことでしょう。

遠隔でカーエアコンを起動できるのは非常に快適です。これだけでアプリの利用価値がある。エアコンに比べればバッテリーの残りを確認できるのはおまけのようなもの。他の機能は・・・私はあ使わない。

2019年2月にNissan EVアプリが更新されて、新たに使える機能が増えました。増えた機能は、急速充電器の地図表示と、充電開始時間の表示です。前者の機能はカーナビやいくつかの充電器ナビサイトで確認することができました。一方、後者の機能はこれまで高速充電なびしか持っておらず、高速道路SAPA以外の充電器に適用が拡大されたという点で画期的です。

これまで各充電器はカーナビから利用状況を確認すれば、使用中か否かを確認できるという状況でした。使用中か否かがわかるだけでも便利ではありますが、もし残り5分で充電が終わるような状況なら空いているも同然ですし、まだ充電が20分以上継続しそうならほかの充電器を探すことになるでしょう。国内の急速充電器が基本的に30分で停止する設定になっていることから、充電開始時刻がわかるということは各ドライバーがどの急速充電器に向かうかの優先順位をつける上で非常に有益です。

東名高速の足柄SA付近をアプリで表示したところ。足柄SAはもちろん、御殿場アウトレットの急速充電器が空いていることがわかる。
充電器のアイコンをタップすると詳細画面に移行する。複数台の充電器があっても、出力、設置台数、空き台数と使用中の充電器の開始時刻が表示される。

単に自動車をつくるだけでなく、ドライバーのユーザーエクスペリエンスを改善しようという意思が日産自動車にあることを示す事例であり、大変好ましく思います。

Battery degradation of Nissan LEAF ZE1 40kWh

Battery degradation is a serious problem for electric vehicles, but there are few reliable information. Therefore, as an owner of the electric car, I will introduce the data obtained by measuring my Nissan LEAF ZE1.

I have owned the 40 kWh LEAF right after the release in October 2017, mainly driving around Tokyo. One year after its delivery, the data collected with an unofficial tool, LeafSpy, indicated that the battery deteriorated by 7% in one year. Considering the Nissan vice president told at the announcement of ZE1 LEAF that battery degradation of new LEAF is suppressed within 10% even after 10,000 km/year running for 10 years, the current result was much worse than the expectation.

In order to verify my data, I searched LeafSpy ‘s SOH published on the Internet, and collected 3 cases from Japan (including my own) and 2 cases from the UK. These are summarized in the figure below. As you can see, in either cases, the SOH decreased by about 7% in one year.

I found that at least the initial battery degradation was fast. I will continue collecting data and observe the progress.

ZE1リーフのバッテリー劣化について、納車1年時点で書いたひとつ前の記事にネット上で入手できたデータを追加しました。日本3件、英国2件のデータを並べてみても、私のリーフが異常に早くSOH低下しているわけではないようです。