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急速充電の所要時間に関する基礎知識

日産などの自動車メーカーは、xx分の急速充電でxx%まで充電できますというような宣伝の仕方をしています。一方で、ネットでユーザーの声を調べてみると、「30分かけずに途中で打ち切った方が効率的」「充電率が高いときに急速充電するのは非効率」「低温だと充電が遅い」といったことが書かれています。本稿では、これらの現象が起きる理由を説明します。

充電の速度を決めるのは、電流値です。充電される電気量は何A(アンペア)が何分流れるかで決まります。電流値が大きければ大きいほど、充電は早く終わります。

まず、典型的な急速充電時の電流値の変化を示します。最初に電流値が最大となり、しばらく一定の電流値で充電が進みます。ある程度充電が進むと徐々に電流値が低下していきます。このような電流値の変化になるのは、定電流定電圧充電という方式をとっているためです。
ここで、充電される電気量は、下の図で電流値の線で囲まれた面積に相当します。充電電流値が一定の間は充電時間に比例して充電された電気量は増加しますが、電流値が小さくなり出すと時間をかけた割に大きな電気量を充電できないことがわかります。

定電流定電圧充電では、最初は定電流で充電し、電圧が設定値に達した時点以降は定電圧で充電するという方式です。上の図に電圧の変化を重ねてみましょう。最初はできるだけ大きな電流を一定値で流して充電します。次に、充電が進むことで、充電電圧が上昇します。ある電圧以上で充電しないように、途中から電流の方を絞っていく方式に切り替えます。このような充電方式が取られるのは、電池に大きすぎる電圧がかかり破損、発火するのを防ぐためです。

ところで、なぜ充電が進むと充電電圧が高くなるのでしょうか。電池の充放電は、正負の電極に固定されている活物質が化学反応を起こすことで生じています。充電時には、電極活物質が放電状態から充電状態に変化することで、電池の電圧が上昇します。電池の活物質によっては、電圧が変わりにくいものもありますが、基本的にどの電池でも充電率が高くなると、電圧も高くなります。この点は乾電池でも同じです。

充電が進むと電圧が高くなるのは避けられません。充電電圧を設定値以下に保つためには、別の観点での制御が必要です。それが内部抵抗による過電圧の抑制です。中学校や高校の理科で電気回路の計算をする場面で電池の内部抵抗はほとんど登場しませんが、実際には電池や電気回路自体にも電気抵抗があります。内部抵抗による過電圧は、オームの法則から内部抵抗値と電流値の積になります。したがって、電流値を小さくすることで、過電圧を小さくすることができます。

以上が、電池の充電時にどのような理由で電流電圧が制御されているかの説明です。ここから、充電を速くするための指針が得られます。結局のところ、最大の電流値が得られる定電流充電の時間を長くする、充電電圧を上げないことに尽きます。

  1. 充電率は低いところから充電を始めた方がいい。電池自体の電圧が小さくなるから。
  2. 電池の内部抵抗は小さい方がいい。過電圧が小さくなるから。

「充電率は低いところから充電を始めた方がいい」については、運用面でそうしましょうというというだけです。充電速度とは別の観点で、放電状態で長時間放置されると電池の劣化が進むと言われている点に注意していください。
また、これはを言っては元も子もないのですが、大容量の電池を積んだ車を選ぶことも同じ観点で良い効果があります。電池自体の電圧が上昇するのは「充電率」が高い領域なので、電池の容量が大きければ、高充電率まで充電しなくとも実用的な走行距離を達成できるためです。

「電池の内部抵抗は小さい方がいい」について、ユーザーは何もできないように見えますが、そうではありません。内部抵抗は、電池の電解液をリチウムイオンが移動する際の抵抗や、リチウムイオンが電極活物質と反応する際のエネルギー損失に由来します。一般に、温度が上がると電解液の抵抗(粘度)は低下し、電極活物質の反応は起こりやすくなります。すなわち、電池の温度を上げてやることで、内部抵抗を小さくし、過電圧を抑制することが可能です。
実のところ、充電速度と温度の関係は、充電を速くする要素というよりも、遅くする要素として知られています。初代リーフ(24 kWh)の場合、気温が30度を超える夏場は80%充電するのに20分かからないことがありました。一方で、気温が10度を下回る厳寒期では、30分充電しても充電率80%まで到達しないことがありました。そんな真冬であっても、電池の温度は急速充電や高速走行で上昇するので、急速充電してすぐに走りだし、2回目に充電するときには夏場と同じように急速充電することができました。
なお、温度が上がりすぎると電池の破損につながるので、あまり温度が高いときには充放電の出力抑制が入り、かえって充電速度が遅くなります。前述のように、高速道路で長距離連続走行するとオーバーヒートしやすいです。
ちなみに、テスラの電気自動車には電池の温度調整機能がついており、最適な温度で充放電を行えるようになっています。


累計充電回数が増えたり、製造からの時間が経過したりすると電池が劣化します。電池の劣化時には充電できる容量の減少と、内部抵抗の増大の両方が起こります。どのような変化がどれだけ起こるのが使い方によって異なるので、同じ型式の車でも劣化の具合は大きく異なることがあります。しかし、いずれにせよ充電は遅くなる方向に劣化が進みます。劣化というと電池容量が減って航続可能距離が短くなる点がまず言及されますが、急速充電の速度が遅くなる点にも注意していください。


途中で触れた「大容量の電池を用いる」という方策について考察するため、日産リーフの歴代モデルと急速充電時の充電電流値の変化を模式図にしたものを以下に示します。2代目の40 kWh電池は電池セルを厚くして容量を稼いだそうなので、内部抵抗が大きくなっていると予想されます。実際に、日産ディーラーの44 kW急速充電器で初代は120 Aで定電流充電できていたのが2代目では107 Aになりました。2代目で電池容量は増えましたが、充電速度という点ではまだ改善の余地がありそうです。


ここまで電池の側から「どうしたら充電を速くできるか」について述べてきました。一方で、充電器にもバリエーションがあります。日産ディーラーにある充電器は44 kW、高速道路のSAPAや道の駅にある充電器は40 kW、コンビニやショッピングモールにあるのは30 kWくらいの出力のものが多いです。出力が大きい充電器ほど、当然大きな電流で充電ができます。同じ時間をかけて充電しても、25 kW充電器では50 kW充電器の半分程度の電気しか充電できません。
2代目リーフ (40 kWh) を例にとると、日産ディーラーの44 kW充電器では107 Aで充電されますが、50 kW充電器では120 Aで充電されます。また、コンビニなどの30 kW充電器では最初から最後まで70 A程度で充電されたりします。
充電器の出力はカーナビ上からはわかりませんが、充電スタンド検索サイトと見ればわかります。


余談ですが、電池容量はエネルギーの単位Wh (ワット・アワー)で表されます。時間当たりのエネルギー量(仕事率)の単位Wと時間の単位hを掛けることで、エネルギーの単位になっています。
一方で、充電器の容量は時間当たりのエネルギー量であるWを用います。
WとWh、一文字違うだけで単位の意味が変わります。

紅葉の昇仙峡

昨年の10月下旬に山梨県の紅葉の名所、昇仙峡に行ってきました。初代リーフでのんびり東京から山梨を目指します。

東京を出発して中央道の談合坂SA、双葉SAで急速充電。双葉スマートICから一般道に出て昇仙峡ラインを上ります。水墨画に出てくるような景色が広がります。

県営駐車場に車を停めて、バスでロープウェイに向かいます。帰りは遊歩道で駐車場まで戻ってくる計画です。

まずは昇仙峡ロープウェイで高いところに登ってみます。天気が良ければ富士山が見えるようですが、この日はあいにく雲の中。

山の上もロープウェイ駅周辺はきれいに整備されています。近くの荒川ダムが見えて、ダムカードを取りに行ったのを思い出しました。

 

ロープウェイの駅から少し川下の方に、遊歩道の入り口があります。途中には大きな滝もあり、見ごたえがあります。

 

帰りは中央道に乗る前にファミリーマート笛吹一宮店で充電して東京に向かいました。

新型リーフ (40kWh) に乗り換えた今なら、一度も充電しなくて良いはずです。初代リーフはのんびりドライブなりに、途中のSAで充電中に地元グルメを楽しむこともできました。

紅葉狩りトレッキング 西沢渓谷

10月の長雨が嘘のような晴天に恵まれた文化の日、山梨県の紅葉の名所西沢渓谷に出かけました。

東京の友人たちと新宿で待ち合わせ。集合場所に200V普通充電設備がある駐車場を選ぶことで、待ちながら100%まで充電します。

新宿まで高速を走ってきたせいでしょう100%充電で航続距離は309kmの表示に留まっています。中央道で山梨県の勝沼ICまで行き、さらに目的地である道の駅みとみまで坂を上り続けるので、電費は悪い一日になるでしょう。新宿から目的地まで127 kmなので、無充電で往復できそうです。

午前6時30分に出発したのに首都高は渋滞していました。相模湖のあたりから順調に進み、山梨へ。この間、料金所付近をのぞきプロパイロットで走行しました。ハンドル支援は新東名を走ったときほどではありませんでしたが、それなりに働いてくれました。

勝沼ICからは甲府盆地を見下ろすフルーツラインを通って雁坂道へ。すでに黄色く染まった山々が美しく輝いています。

道の駅みとみに到着した時点で、電池残量40%、航続距離103 kmの表示になりました。標高差1,100 m分の位置エネルギーがあるので、このまま無充電で新宿に帰ることも可能です。

9時半ごろ到着したのですが、すでに道の駅の無料駐車場は満車でした。隣接する蒟蒻館との間の空き地が臨時有料駐車場(500円)になっており、こちらは1/3ほど空いていたので駐車できました。

道の駅みとみは急速充電器があり、EV乗りが秩父方面へ抜けるのに頼もしい存在です。売店の食べ物がおいしそうで、トレッキングのおやつにヨモギ餅を買っていきました。

道の駅のすぐ北に西沢渓谷入り口の看板があります。ここから歩いて数分でトレッキングコースの入り口に入ります。

道の駅で配っているコースマップを見ると所要時間は4時間。往路は林道から渓流沿いの山道を進み、復路はかつてのトロッコ軌道跡を下りてくるという周回コースです。

山道に入る前、林道だけでもこれだけきれいな紅葉が見られました。分岐点までは普通の格好でも歩いて来られる道でした。さらに渓流沿いの山道を行くのは、濡れた岩の上を歩く場所も多く、登山装備があった方が良いと思いました。

渓流にはいくつも滝があって、ごうごうという水の音が騒がしい人間界の音を消し去ってくれます。

 

不動滝を過ぎると長い階段になります。階段を登り切ったところがトロッコ軌道跡との合流地点です。合流地点には変わった形のトイレと休憩所があるのですが、紅葉の時期はかなり混雑しており、ベンチに座るのも順番待ちです。また、トイレの目の前なので結構臭います。昼食をとるなら不動滝の手前で水辺に下りて、大きな岩の上で休憩する方がいいかもしれません。

ここからは軌道があったくらいのなので、ずっと緩やかな下り坂が続きます。所々にレールが残っていますし、トロッコも展示されていました。

 

渓流沿いの道と高いところを走る軌道跡の道という場所の違い、午前と午後の光の当たり方の違いがあって、往路と復路で違った景色を楽しめる場所でした。

色鮮やかさだけでいったら、道路沿いのこの1本も負けていません。

道の駅で腹ごしらえして、勝沼のぶどうの丘で温泉に入り帰路につきました。中央道がお約束の大渋滞をしていたので東京の友人たちとは勝沼の駅で解散し、私は河口湖経由で帰宅しました。

帰宅した時点で電池残量16%、航続距離57 kmの表示になりました。本当に1度も充電せずに済みました。

2017年10月

10月の走行距離は1,598 kmでした。初代で639 km、新型で959 kmです。10/21に交代しました。

電費は初代が8.0 km/kWh、新型が7.4 km/kWhで8月と同じでした。走行距離で加重平均すると7.6 km/kWh。納車直後に電池が空になるまで走ったときは新型の電費が8.1 km/kWhでした。
主な要因は新型の走行で高速走行の割合が高いのと、デフロスタを使っている時間が長かったことがあると思っています。
また、まだはっきりとはしていませんが、e-Pedalが乗り心地を優先して油圧ブレーキを作動させるのに対して、私は初代で培ったエコドライブをするので、ブレーキ制御を自分でやった方が電費が良い可能性があります。

さすがに10月末ともなると寒くなってきたので、少なくともステアリングヒーターはON、シートヒーターやエアコンも使っていくので、しばらく理想の電費は見られそうにありません。

月額2,699円のEVSPに対して、ガソリン129円/Lとして燃費76.6 km/Lと同等です。

急速充電 初代12回、新型7回、普通充電はともに0回 (新型は納車時に100%充電)

東京モーターショー2017

新型リーフで東京モーターショーへ行ってきました。東京モーターショーに出ているくるまで、東京モーターショーに行くという手段が目的になっているお出かけです。

台風が接近しているにも関わらず、たいへんな混雑です。ビッグサイトの駐車場は臨時のものも含めて、徒歩圏内の駐車場は埋まっている様子でした。上限料金のある駐車場を探して、結局日本科学未来館の地下駐車場(times)に停めました。どうせ混んでいるのだから、はじめからお台場の西側に停めて、ゆりかもめなり都バスなりで移動すれば良かったと反省です。

ゆりかもめの国際展示場正門駅は人でごった返していました。ビッグサイトにはチケット購入の長い列。スマホでチケット買っておいてよかった。

ぐるぐると回りながら、日産のブースへ向かいます。不正検査問題でイケイケな雰囲気ではないものの、大きなステージでNissan Intelligent Mobilityをアピールしていました。ステージにはコンセプトカーのiMxと並んで新型リーフが。アレに乗って来たと思うと、時代を先取りしたようで少し嬉しい気分になりました。

日産のブースにはラウンジが併設されており、日産車オーナーは休憩できるようになっていました。車の鍵か日産カードを提示すれば良いそうです。無料で飲み物をもらえました。

他社の出展も一通り見て回りました。部品メーカーにあったカットモデルで部品が動いているところを見せる展示が気に入りました。あんな精緻な動きをする機械が10年近く壊れずに動くなんて驚異的で、自動車が製造業の顔みたく扱われるのもよくわかります。

スバルのブースにあったXVの上にテントを張ってしまうのもおもしろいと思いました。こんな感じでキャンプしたら楽しいでしょうねえ。

数字では分かり切ったことですが、新型リーフなら小田原からお台場まで充電なしで行って帰って来れるわけです。初代リーフなら2回は途中で充電していたでしょう。進歩しました。

山中湖の紅葉

関東近郊の一大観光地、富士五湖のひとつ山中湖。山の上で気温が低いため、10月中旬から紅葉の見ごろを迎えます。

EVで標高の高いエリアに到達するには位置エネルギー分の余計な電気が必要になりますが、山中湖は観光地だけあって充電スポットの整備が進んでいます。

中央自動車道道志みち(国道413号線)三国峠越え篭坂峠越えのいずれでも、低地から上がる途中に急速充電スポットがあります。また、山中湖観光案内所にも急速充電器があり、帰りも安心です。

今回は道の駅山北で充電して、三国峠を越えるルートで山中湖へ向かいました。

三国峠からは金色のススキと山中湖の向こうに富士山を眺められるスポットとして有名です。10月中旬のダイヤモンド富士が見られるシーズンは、テレビ局やらアマチュア写真家やらで車線が片方潰れてしまうほど人が集まります。

三国峠はそこまで人が多くありませんが、やはり眺望がすばらしい鉄砲木ノ頭に登る人の車が峠付近にたくさんとまっていました。

少し道路を離れると、苔の生えた倒木がありました。あまり人が来ない場所であることを感じます。

帰路に向けて、山中湖観光案内所で充電します。大きな公園に隣接しているので、時間を歩き回っているとすぐに30分経ってしまいます。ここの紅葉もなかなかです。

近くでハンモックカフェなるものを見つけて、一服。夕方になり肌寒くなってきたので、温かい飲み物がとてもおいしい。そうこうしていると、周りの人たちがみな西の空を見上げ始めました。富士山に夕日が沈んでいくところでした。

新型リーフ(2017)実際どこまで走るのか

一般道編
電池残量93%、航続距離表示307 kmから269 km走行して、電池残量は3%、航続距離は— km (おそらく8 km) でした。
天候は雨、デフロスタ使用。

高速道路編
電池残量78%、航続距離表示228 kmから80 km/hで181 km走行して、電池残量は4%、航続距離は10 km強でした。天候は曇り、エアコンは不使用。


一般道編

新型リーフが納車されたので、さっそく実際どれだけ走るのか実験です。テストコースは長い距離を走りたいものの、高速走行では電費が悪くなるのでJC08モードに基づく航続距離は絶対に出ません。一般道で十分に長く分かりやすい道として、国道1号線を走ることにしました。

私は神奈川県に住んでいるので、出発地点は小田原駅にしました。国道1号線はかつての東海道。箱根越えを控えた小田原は東海道五十三次で最大の宿場町でした。東海道つながりで考えると、名古屋には同じく七里の渡し(海路)を控えた宮宿(熱田神宮)があります。距離にして約300 km。勝手に好み感じて、熱田神宮まで行けたらいいなと思いながらドライブを始めました。

小田原駅にて記念撮影。電池残量93%、航続距離307 kmと表示されています。ナビでルートを探索すると、所要時間や行程と合わせて目的地での予想電池残量が表示されました。現在の電池残量で到達できないかもしれないとナビが判断したようで、途中の充電スポットを経由地に使いするよう提案が出されました。ドライバーが充電スポットを探さなくても、ナビ任せでいいんですね。国道1号線沿いなら充電スポットはいくつもあるでしょうから、まずはナビの提案を無視して進みます。

実はこの日、非常に強い台風21号が日本に接近しており、秋雨前線と合わせて大雨を降らしていました。箱根の山を登り始めるとみるみる天気は悪くなり、箱根新道を登り切ったところ(小田原から19 km)で電池残量は77%、航続距離は177 kmの表示になりました。このときデフロスタONです。

坂を上るのに大きなエネルギーを使う一方で、坂を下る際には回生ブレーキによってエネルギーを取り戻せます。シフトをDからBに変えて、沼津市街まで下り切ったところが下の写真です。
小田原から34 km、電池残量は81%、航続距離は236 kmの表示です。回生ブレーキで位置エネルギー分を取り戻したので、電池残量が増えています。

沼津から先は大きな山もなく、いかにも幹線道路という姿の国道1号線を走っていきます。静岡市などの大都市の周辺ではバイパスが整備されているので、あまり信号に止められることもなく(写真を撮る機会もなく)走行しました。電池残量が50%になったのが、ちょうど大井川をわたっているとき(島田市)でした。

バイパスならプロパイロットに運転を任せられるかと思いましたが、ハンドル支援には入ってくれませんでした。一方で、車速と車間距離の制御はいつでも支援してくれたので、信号さえなければ車速を法定速度にしておけば勝手に進んでくれます。ちなみに、車間距離を最小に設定しているところに割り込みされると自動ブレーキのアラートが鳴ります。隣の車線の状況を見ながら他車を入れあげるという動作は、人間がやる必要があります。

ずっと運転していてさすがにトイレに行きたくなってきたので、浜松でコンビニに立ち寄ったときの画像です。
小田原から164 km、電池残量は37%、航続距離は182 kmの表示です。
この画面でECOと書かれている範囲にモーター出力を収めていれば、それなりのエコ運転ができるます。道中、デフロスタはつけたり消したりしています。

浜松を抜けると浜名バイパスに入ります。浜名バイパスは海沿いで強風かつ制限速度80 kmなので高速道路並みの電費に悪化し、みるみる航続距離が短くなって焦りました。EVに乗っている方ならご存知のように、航続距離は直近の走行履歴をもとに算出されています。バイパスのあとは市街地走行で電費が良くなるので、実際には表示の減り方ほど航続距離が短くなるわけではありません。と分かっていても焦るのが人。

浜名バイパスを抜けると愛知県に入ります。国道1号線に路面電車が走る豊橋市役所付近の画像です。
小田原から207 km、電池残量は21%、航続距離は67 kmの表示です。

岡崎城付近です。さすがに電池残量が少なくなってきました。
小田原から238 km、電池残量は13%、航続距離は41 kmの表示です。

電池残量9%、航続距離29 kmを切ったところで警告灯が表示されました。航続距離が点灯から点滅に変わったので、画像では表示が消えているように見えます。信号で止まり画像を撮影したのが小田原から257 kmの地点です。

この時点でナビが周囲の急速充電スポットを更新しだします。

電池残量が3%になり、航続距離が10 kmを切ったところで、航続距離が—という表示に変わりました。ナビが自動で周囲の急速充電スポットを検索します。

実はこの時、すでに熱田神宮まで残り数百m。小田原から名古屋まで無充電で走行するチャンレンジは成功です。最寄りの日産で急速充電をする前の表示です。

小田原から269 km、電池残量は3%、航続距離は— km (おそらく8 km)

急速充電を開始します。

107A、343Vという初代リーフでは見たこともない電圧が表示されています。しばらく経っても、電流は107Aのままでした。充電完了時に54%なので、30分で51%の充電ができました。カタログにある80%まで40分で充電は難しそうです。充電が遅いのは、おそらく電池温度が影響してます。

平均電費は8.1 km/kWhでした。

調べてみると、新型リーフで346 km走ったという動画がありました。今回のドライブでは、100%充電でなかったこと、大雨で路面がぬれており走行に余計なエネルギーが必要だったこと、デフロスタのためにエアコンを稼働したことにより、346 kmは下回る結果でした。
それでも、初代リーフからしたら世界が違います。実は以前、同じように一般道で神奈川から愛知まで走ったことがあるのですが、8割まで電池が劣化した初期型でエアコンが必要な真夏だったとはいえ5、6回急速充電をしたはずです。それが新型は0回。技術の進歩の大きさに驚きます。


高速道路編

後半は高速道路編です。普段の使い方に近い充電80%で出発して、神奈川県に帰るのにどこで充電が必要か実験します。

さすがに名古屋出発は厳しいので、愛知県の東の端、東名高速豊川ICから高速に入ることにしました。最寄りの日産で急速充電してスタートです。

電池残量78%、航続距離228 kmと表示されています。一応、大井松田ICまで210 kmなので、この数字のままなら充電は必要ないかのように見えます。ここで小田原までのルートを検索すると、目的地に到着できない恐れがあるとナビから警告が出ました。「経由地に充電スポットを加えますか」と提案されるので、候補を表示すると現在地から遠い順に経路上の急速充電スポットが表示されました。最も遠い候補は駿河湾沼津SA足柄SAではありませんでした。高速走行で電費が悪化し、足柄SAは標高が高いためさらに電費が悪化することが考慮されて、余裕のある候補が示されているのだと思いました。

台風が近づいているためか、東名、新東名ともに制限速度が80 km/hに規制されていました。EVは高速で走るほど電費が悪化するので、普段より電費には有利な状況かもしれません。

高速道路ではプロパイロットが役に立ちます。国道1号線では起動しなかったハンドル支援も東名、新東名を走っている間のほとんど時間機能しました。東名から新東名に入る浜松いなさJCTの急カーブも、新東名に合流する最後の白線が消える直前までハンドル支援が作動していました。

あとはずーっとプロパイロット任せです。時折、大雨に襲われてプロパイロットが停止したり、白線が検知できずにハンドル支援が外れることがありましたが、ハンドルを握っていれば問題なく運転を引き継げるような感じでした。e-PedalをONにしていましたが、プロパイロットが停止しても急制動がかかるわけではなく、ドライバーが反応してアクセルを踏み込む時間は十分にあると感じました。

駿河湾沼津SAの直前で、航続距離が足柄SAまでの距離に20 kmほど余裕がありました。標高差があるのでギリギリ届くか否かといったところですが、初代リーフを運転してきた経験から行けると判断して駿河湾沼津SAを通過しました。
御殿場ICの手前には、新東名ではこの先すぐの長泉沼津ICしか出口がないので、EVに慣れていない方にはお勧めできない走り方です。いざというとき東名なら裾野ICで降りられます。
御殿場ICの近くに東名高速の最高地点 454 mの標識があります。これを越えれば辛い上り坂が終わるので、5 km先の足柄SAは到達可能です。つまり、御殿場ICに到達できるか否かが電欠するか否かと同じことです。高速道路上で電欠するのは危険すぎるので、余裕を持って充電しましょう。

もちろん無事に足柄SAに到着したわけですが、その時点で電池残量は4%、航続距離は10 km強でした。

さっそく急速充電を開始します。

足柄SAでは、高速に乗る前に日産で充電したときよりも充電が遅いように感じました。実際に入った電気も30分で14 kWh。39%にしかなりません。ここの充電器は40 kWだったはずなので、もう少し入ってもよさそうなもの。

あとで気が付いたのですが、電池の温度がかなり上がっていました。もう少しでレッドゾーン。電池のオーバーヒートを防ぐために、充電電流が抑制されていた可能性が高いです。

ちなみに高速道路走行(80 km/h)の平均電費は7.6 km/kWhでした。

時速100 kmで走れば、もう少し手前で電気がなくなるので、駿河湾沼津SAで充電するのが良かったかもしれません。神奈川と愛知の間であれば、急速充電1回で走行できそうです。

高速道路でプロパイロットはすさまじく便利でした。車間の調整もハンドル操作もほとんどいりません。ドライバーは周囲に注意を払っていれば十分で、ほとんど助手席に座っているようなものでした。
難点をあげるとすれば、ハンドル支援は若干ぎこちないのと、設定速度より遅い速度で走っているときに先行車がいなくなると急加速するのが気になりました。ハンドル支援は運転が下手な人よりはうまいくらいです。また、急加速はドライバーがアクセルを踏んでいる間、ドライバーの操作が優先されるのでゆっくり加速できます。ただし、ドライバーの介入している時間が長いとプロパイロットが解除されます。

今回いだいた懸念としては、電池の温度管理です。足柄SAで充電が遅かった原因が電池温度だとしたら、長距離の高速走行は厳しいかもしれません。外気温が20度以下であっても、急速充電1回と高速走行の後では、急速充電が抑制されるほど温度が上がっているということになるので。今後情報を集めて、リーフの長距離移動で注意すべき点を明らかにしていきたいと思います。

まずいよ日産 不正検査問題

9月に不正検査問題であれだけ騒がれておきながら、また不正検査です。リーフを製造している追浜工場も含まれています。

日産、国内向け全車両の出荷停止 不正検査問題で

まだ連絡は来ていませんが、明後日納車の私の新型リーフもリコールがかかるでしょう。

一連の日産不正検査問題は、安全性と法令遵守の2つの側面があります。

安全性については、私は気にしていません。検査員の資格の有無にかかわらず、検査において適切な手順と適切な判断がなされていれば、安全性に問題は生じないためです。以下の動画のようにコンピュータが判定を示す現代において、資格がないからといって不適切な判定をしてしまうとは考えにくいでしょう。

問題なのは、法令遵守ができていないことです。工場での完成車検査は0回目の車検のようなもので、行政の代わりに企業が車検を実施してよい根拠なり基準なりが必要です。それが社内資格を得た検査員による検査なのですから、現代の技術レベルからしてルールで定められたやり方がいくら無駄に満ち溢れていたとしても、ルールを破ってしまえば完成車検査をしてよい根拠が揺らぎます。
ルールが不適切なとき、やるべきはルールを変えることであって、ルールを無視することではありません。

言葉は悪いですが、どこかの誰かがルールを破ったときに1回きついお灸をすえれば、業界全体がルールを再確認して秩序が回復するもんだというくらいの認識で、私は大して不快感も持っていませんでした。

ところが、100%資格のある検査員が検査を実施していると10月頭に宣言したにも関わらず、複数の工場で正しいやり方に直っていなかった。今回の報道には心底がっかりしています。

報道を見る限りでは、日産は正しいやり方で検査をしているつもりだったでしょう。直したつもりだった。それが、しっかり見てみると正しくできていなかった。つまり、日産の製造の現場では、本来どうあるべきかという正しい情報が欠落していたということです。
悪意があって隠したなら咎めれば不正は直せるものの、正しい形、正解がわからない状態のまま何となくで不正をしてしまったとなると、従業員の教育や技術・知見の伝承ができていないのではないかと疑わざるをえません。製造業の根幹たる主力工場の製造現場でこのような事態に陥っているとなると、本当に管理できているのと不安になります。

上で述べたように、法令を守っていようとなかろうと、適切な手順で製造され、検査されていれば安全性に問題はないはずです。このような管理不行き届きの状態で、「適切になされている」と誰に信じてもらえるでしょうか?


日産の西川社長の会見を見ました。工場のラインを止めて工事をし、完成検査ラインを確立するまで国内出荷はしないということです。対応としては及第点でしょうが、最初からそれをやりなさいよと思います。
一方で、社長からの命令が現場の責任者である係長に届いていないだとか、届出と異なる不正検査は20年以上にわたって常態化していた可能性があるだとか、信じがたい内容も社長の口から出てきました。

ところで、不正検査の発覚は内部告発だったようです。

日産不正 きっかけは内部告発

内部告発で発覚したとしたら、内部告発者や今後内部告発しようとする人の不利益にならないように、内部告発があったと明言しないほうがいいような気がするのですが。

オール日産紹介成約活動

日産の新車を購入する際に、関係者の紹介を受けることで5,000円相当のカタログギフトがもらえます。(2017年10月現在)

関係者とは、日産グループの従業員または株主です。制度の内容はリンク先をご覧ください。とりあえず、ディーラーに行く前に関係者と連絡を取ると良いでしょう。

まだ納車は3日後ですが、カタログギフトが届きました。一般的なカタログギフトに加えて、日産オリジナルのドライブサポートグッズも選べるようになっていました。

余談ですが、カタログギフトの発送元住所が学生時代に住んでいた場所の近く、まさに通学路上で毎日見ている建物でした。妙な縁を感じます(笑)

自動運転と法規制

興味深い報道がありました。
自動運転、手離し65秒で手動に 国交省が初の基準 日経新聞2017/10/13

日産はプロパイロットを自動運転と呼んで盛んに宣伝していたり、テスラやアウディはどんどん自動化レベルを上げています。一方で、事故が起きたら誰が責任を負うのか、法制度を技術の進歩に合わせて変えていかなければなりません。その中で、報道にあった基準は適当なのか、過剰なのか、過小なのか、今後の運転自動化の流れにどう影響するのかが気になるところです。

このような問題意識に対して、ぴったりの記事を見つけました。今回の基準の国際的な位置づけや今後の方針までまとめられており、とても分かりやすい記事です。

自動運転の新基準は日本政府の過剰規制じゃない nakachanのブログ

すでに市販されている車について考えてみても、プロパイロットで高速道路を走っているときに急病などで万が一ドライバーが運転を継続できなくなったとき、車はどうなるのでしょうか。想像するに、プロパイロットが解除された後にガードレールなどに対して自動ブレーキを作動させつつ低速で衝突して停車することになるのでしょう。現状の同一車線走行技術では、路肩に退避できないので停車するよりもそのまま走り続ける方が安全にも思えます※。技術的にできることと、交通安全のためにあるべき理想を突き合わせて、適切な法規制と事故への補償体制が整うように願っています。

※自動ブレーキがあって減速するだけでも、車が空を飛ぶような痛ましい事故は防げるはずです。ひとっとびに理想は実現されませんが、技術の進歩が少しずつ交通安全のレベルを高めてくれるのは確かです。